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前田恒彦

前田恒彦

認証済み

元特捜部主任検事

報告

解説別の報道によると、21歳の女だけでなく、19歳の女も殺人の容疑を否認しており、一方で、橋から離れた場所で壊された状態で見つかった女子高生のスマホを解析したところ、女子高生が橋の欄干に座らされている動画が発見されたとのこと。 これが事実なら、その状態の女子高生を2人の女が川に突き落としたとか、川の方に向かって飛び降りるように強いたといった可能性が考えられます。 一方で、川に落ちる直前やその瞬間、落ちたあとの場面が記録されていなければ、女子高生がバランスを崩して勝手に落ちただけだとか、自分たちが立ち去ったときはまだ欄干の上にいたので、どのようにして落ちたのかは分からないといった、第二、第三の弁解の構築も考えられます。 防犯カメラがなく、目撃者もいない中、2人の女を殺人罪で起訴し、有罪判決を得るには、こうした弁解を覆し、犯行状況を裏付けるだけの客観証拠の有無やその内容が重要となるでしょう。

コメンテータープロフィール

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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