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前田恒彦

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元特捜部主任検事

報告

解説元県民局長の内部告発文書では複数の不正が記されていましたが、最も重要と思われるのは阪神・オリックス優勝パレードの資金集めを巡る疑惑です。すでに9月2日付で斎藤知事と片山前副知事の2人が背任容疑で大阪地検特捜部に刑事告発されています。 特捜部による正式受理に至っているか否かは不明ですが、金融機関が関係している話ですし、補助金絡みであり、捜査が縦にも横にも広がる可能性があるので、特捜部としても高い関心を示す疑惑ではないかと思われます。 実務面では斎藤知事の配下である片山前副知事のほうが黒幕だったという話もありますし、県庁の現状を踏まえると、別の不正に関して職員から検察に新たな情報提供がもたらされることも期待されます。 百条委員会での証言に嘘があれば偽証罪にも問えるので、特捜部としては、まずは委員会で証言や客観証拠に関する調査が出そろうのを待つということになるでしょう。

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  • 増沢隆太

    「謝罪のプロ」こと危機管理コミュニケーション専門家

    見解兵庫県の対応が、公益通報対応ではなく、犯人探しだったことを示す重要な証拠だといえます。 今回の問題は…続きを読む

コメンテータープロフィール

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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