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前田恒彦

前田恒彦認証済み

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元特捜部主任検事

報告

特別背任罪や金融商品取引法違反の一審は被告人が出席しなければ裁判を進められないし、判決も言い渡せない決まりです。 日本が他国との間で逃亡者の身柄を相互に引き渡す法的根拠は、(1)犯罪人引渡条約と(2)逃亡犯罪人引渡法しかありません。日本が(1)を締結しているのは米国と韓国だけです。 (2)はそれ以外の国をカバーするために制定された法律ですが、自国民の引き渡しは認めていません。レバノン政府が自国民であるゴーン氏の身柄を引き渡すことなどあり得ないので、もはやゴーン氏の裁判が日本で行われる可能性は乏しいでしょう。 その状態が長く続いても、ゴーン氏の死亡が確認された段階で公訴棄却となり、裁判手続も打ち切りとなります。

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コメンテータープロフィール

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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