見解労災認定に対して企業側から不服申立てが可能になってしまうと、労災での給付そのものが取り消しにならなくとも怪我をした労働者にとっては影響が大きい。 たとえば、会社が国を相手に労災取り消しを求める裁判を起こせば、労働者もその裁判への出席が求められるようになる可能性があり、時間的な負担が生じる。 それだけでなく、怪我を理由として損害賠償を求める裁判を企業相手に起こした際には、「労災は一旦認定されたが、その後取り消されため企業に責任はない」と怪我や病気に対する企業責任が否定されやすくなる可能性がある。 今回、裁判では企業の「労災不服申し立て請求権」は否定されたが、厚労省ではすでに同様の制度を導入しており、労災被災者の負担は大きくなるだろう。そもそも労災とは労働者が怪我や病気にあった際に補償するという労働者救済が目的の制度であるため、企業側の不服申立てに制限をかけるような制度改変が必要だろう。
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コメンテータープロフィール
NPO法人「POSSE」代表。年間5000件以上の労働・生活相談に関わり、労働・福祉政策について研究・提言している。近著に『賃労働の系譜学 フォーディズムからデジタル封建制へ』(青土社)。その他に『ストライキ2.0』(集英社新書)、『ブラック企業』(文春新書)、『ブラックバイト』(岩波新書)、『生活保護』(ちくま新書)など多数。流行語大賞トップ10(「ブラック企業」)、大佛次郎論壇賞、日本労働社会学会奨励賞などを受賞。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。専門社会調査士。
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