見解保護受給者の生活苦が報じられると、労働者側からもギリギリの生活をしながら納めた税金で生活している受給者に対する反発が現れる。確かに、かつては最低賃金と生活保護の逆転現象が起きていたため、生活保護が「特権的」に見えてしまうのも無理もなかった。しかし今や保護費が年々引き下げられ、生活保護の月額は最低賃金でフルタイム働いた場合の月収よりも全国的に2万円低い。これを踏まえ、生活保護については次のように考えるべきだ。 第一に、失業状態かフルタイムで働けない状況のために生活保護以下の生活をしている人が、生活保護に捕捉されていないことが問題だ。生活保護の捕捉率は約2割で、約800万人もの人たちが保護を受けられるのに受けられていない。第二に、フルタイムで働いても厳しいとしたら、それは生活保護のせいではなく、最低賃金が低すぎる。生活保護、最低賃金ともども最低限度の生活ができる水準まで引き上げられるべきだ。
コメンテータープロフィール
NPO法人「POSSE」代表。年間5000件以上の労働・生活相談に関わり、労働・福祉政策について研究・提言している。近著に『賃労働の系譜学 フォーディズムからデジタル封建制へ』(青土社)。その他に『ストライキ2.0』(集英社新書)、『ブラック企業』(文春新書)、『ブラックバイト』(岩波新書)、『生活保護』(ちくま新書)など多数。流行語大賞トップ10(「ブラック企業」)、大佛次郎論壇賞、日本労働社会学会奨励賞などを受賞。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。専門社会調査士。
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