補足リストラの方法には「整理解雇」、「退職勧奨(希望退職)」、「雇止め」、「契約解除」(派遣・請負)がある。まず真っ先に実施されるのが派遣・請負労働者の契約解除である。その次に用いられる可能性があるのが、製造業では「期間工」と呼ばれる直接雇用の有期雇用労働者の雇止め。その先に正社員への希望退職の募集や退職勧奨が実施されるのが通例だ。 最も法律の制約が大きいのが正社員の整理解雇だが、原則として日本では使用者に解雇権があり、それを「濫用してはならない」というロジックで規制している。経営が深刻な赤字に陥っている場合には、その赤字の程度がひどいことに加え、解雇対象が合理的で、なおかつ適切な説明を尽くしていれば濫用ではない解雇と認められる。 なお、アメリカに関して言えば、主にレイオフ制度によって、業績低迷下で解雇し、回復した場合に解雇された労働者を呼び戻す、という方法によって調整が行われる。
コメンテータープロフィール
NPO法人「POSSE」代表。年間5000件以上の労働・生活相談に関わり、労働・福祉政策について研究・提言している。近著に『賃労働の系譜学 フォーディズムからデジタル封建制へ』(青土社)。その他に『ストライキ2.0』(集英社新書)、『ブラック企業』(文春新書)、『ブラックバイト』(岩波新書)、『生活保護』(ちくま新書)など多数。流行語大賞トップ10(「ブラック企業」)、大佛次郎論壇賞、日本労働社会学会奨励賞などを受賞。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。専門社会調査士。
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