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川上泰徳

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中東ジャーナリスト

報告

見解イスラエル軍のガザ攻撃での無差別殺戮を、参加した兵士の証言で構成した記事。「イスラエルの良心」といわれるハアレツ紙ならではの報道である。記事では発表は「武装勢力200人殺害」だが、「確認された戦闘員は10人」という例が出ているが、元の記事には兵士が白旗と手を挙げているパレスチナ人2人を確認したのに、司令官が銃撃を命令して殺害したり、目に入る人間は「すべてテロリスト、または協力者」として殺す「無法ぶり」を兵士自ら語っている。「(殺戮が)部隊間の競争になってしまった。第99師団が150人殺害すれば次の部隊は200人を狙う」という証言も。イスラエル軍は攻撃は「組織化された戦闘手順、計画、作戦命令に従って実施される」と主張するが、現場の指揮官が命令し、「軍の規範に縛られず、民兵のように行動している」との証言も。これらの兵士の証言は「ジェノサイド」の証拠として国際法廷で採用されるべき事案である。

コメンテータープロフィール

元朝日新聞記者。カイロ、エルサレム、バグダッドなどに駐在し、パレスチナ紛争、イラク戦争、「アラブの春」などを現地取材。中東報道で2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。2015年からフリーランス。フリーになってベイルートのパレスチナ難民キャンプに通って取材したパレスチナ人のヒューマンストーリーを「シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年」(岩波書店)として刊行。他に「中東の現場を歩く」(合同出版)、「『イスラム国』はテロの元凶ではない」(集英社新書)、「戦争・革命・テロの連鎖 中東危機を読む」(彩流社)など。◇連絡先:kawakami.yasunori2016@gmail.com

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