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川上泰徳

川上泰徳

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中東ジャーナリスト

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見解ラファで45人の死者を出した攻撃について、ネタニヤフ首相が国会で語った言葉をイスラエルメディアは「mishap」と訳している。「ちょっとした災難・不運」の意で、非を認めた訳でもなく、戦争にはつきものだと開き直っている。イスラエル軍はハマス幹部を攻撃したとするが、イスラエルメディアのこれまでの報道で、イスラエル軍はハマス幹部の攻撃に100人以上の民間人巻き添え死者を容認していると将兵の証言が出ている。今回の民間人の犠牲はたまたま世界の注目を浴びたが、ネタニヤフ首相にもイスラエル軍にも想定内である。イスラエル軍の大型爆弾投下で住宅ビルが崩れ落ちる映像を何十回も見てきて、そのたびに数十人、時には100人以上の市民が死んでいる。それが現在のガザの死者3万6千人になっている。大半が民間人である。それを許してきたのはイスラエルの攻撃を本気で止めようとせず「自衛」として認めてきた米国、欧州、日本である。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 伊藤和子

    弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ副理事長

    提言攻撃があった場所は、避難民のテントが集まる場所であり、民間人の安全が確保されなければならないエリアで…続きを読む

  • 鈴木一人

    東京大学教授/地経学研究所長

    解説イスラエルは「悲劇的なミス」と言っているが、ミスでは済まされない問題。これまでも民間人を標的にして攻…続きを読む

コメンテータープロフィール

元朝日新聞記者。カイロ、エルサレム、バグダッドなどに駐在し、パレスチナ紛争、イラク戦争、「アラブの春」などを現地取材。中東報道で2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。2015年からフリーランス。フリーになってベイルートのパレスチナ難民キャンプに通って取材したパレスチナ人のヒューマンストーリーを「シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年」(岩波書店)として刊行。他に「中東の現場を歩く」(合同出版)、「『イスラム国』はテロの元凶ではない」(集英社新書)、「戦争・革命・テロの連鎖 中東危機を読む」(彩流社)など。◇連絡先:kawakami.yasunori2016@gmail.com

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