提言この問題は、女性活躍推進の施策が不十分ということです。 第一の問題は人材管理、特に育成が不十分であることです。課長から部長へと役職が上がることで責任・権限が増えます。企業は新しい部長にこれまでと異なる期待役割を明示的に伝える必要があります。これまで男性や男性並みに働ける女性に対して飲み会の席などで非公式に伝えていた仕事のやり方を、研修などを通じて明示的に伝える必要があります。 第二の問題は家庭内の男女不平等です。記事に登場する女性管理職は家事育児をワンオペで担い続けようとしています。これは役職が上がり職務範囲が広がり責任が重くなれば難しいです。夫が働き方を変えて育児責任を担うか家事育児の外注を検討しなければ上級管理職は続けられません。 本気で女性活躍推進をする企業は、記事中で著者が指摘する施策を地道に実行する必要があります。
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コメンテータープロフィール
1997年一橋大学法学部卒業後、日経BP社で16年間、経済誌記者。2006年~07年ミシガン大学フルブライト客員研究員。2014年からフリージャーナリスト。2018年一橋大学大学院経営学修士。2021年4月より現職。内閣府男女共同参画計画実行・監視専門調査会委員、国際女性会議WAW!国内アドバイザー、東京都男女平等参画審議会委員、豊島区男女共同参画推進会議会長など男女平等関係の公職多数。著書に『稼ぐ妻 育てる夫』(勁草書房)、『炎上しない企業情報発信』(日本経済新聞出版)、『「男女格差後進国」の衝撃』(小学館新書)、『ジェンダーで見るヒットドラマ』(光文社新書)などがある。