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伊藤条太

伊藤条太

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卓球コラムニスト

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石川佳純が王越古のサービスをストレートにフリックし、リ・ジャウェイのバックを抜き去った瞬間、日本の卓球の歴史が変わった。2012年ロンドン五輪の女子団体準決勝のシンガポール戦、日本の卓球史上初の五輪のメダルが確定した瞬間だった。直後、石川が平野早矢香に抱き着く様子が幾度となくテレビで放送され、日本中の人々を感動の渦に巻き込んだ。1番で福原愛がエース・馮天薇を破り、2番で石川が王越古を破っての3人で勝ち取ったメダルだった。しかしこの3人は国内では熾烈な戦いを演じるライバル同士でもあった。どうしても全日本で優勝できずにいた4歳上の福原を破り、全日本で先に優勝してしまった石川を、福原はロンドン五輪前の全日本で強烈にリベンジした。かつて全日本を5度も制し、福原のさらに4歳上の平野もまた復活を期しながら準決勝で石川に敗れていた。こうした強烈な競争心に裏付けられた団結力が、偉業を成し遂げたのである。

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コメンテータープロフィール

1964年岩手県奥州市生まれ。中学1年から卓球を始め、高校時代に県ベスト8という微妙な戦績を残す。大学時代に卓球ネクラブームの逆風の中「これでもか」というほど卓球に打ち込む。東北大学工学部修士課程修了後、ソニー株式会社にて商品設計に従事するも、徐々に卓球への情熱が余り始め、なぜか卓球本の収集を始める。それがきっかけで2004年より専門誌『卓球王国』でコラムの執筆を開始。2018年からフリーとなり、地域の小中学生の卓球指導をしながら執筆活動に勤しむ。著書『ようこそ卓球地獄へ』『卓球語辞典』他。「ロックカフェ新宿ロフト」でのトークライブ配信中。チケットは下記「関連サイト」より。

伊藤条太の最近のコメント

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    補足世界選手権の女子団体で日本が中国から2点取ったのは、2004年ドーハ大会以来のことです。そのときは藤…続きを読む

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