解説野犬は「自然の中で自由に生きる犬」と誤解されがちですが、実際には飼い主に捨てられ、過酷な生存競争を強いられる犬たちです。 ゆきちゃんもその一例で、皮膚病や栄養不足、他の犬との闘争で傷だらけの生活をしていました。しかし、保護され治療を受けることで、心身ともに回復し、元の美しい姿を取り戻しました。5年という長い歳月が、その回復に必要だったのです。 こうした保護活動は、犬たちが再び人間を信頼し、幸せな生活を取り戻す大切なきっかけになります。ゆきちゃんが穏やかで愛情深い日々を送れるようになったのは、保護団体の愛情と献身の賜物です。保護動物への理解と支援の重要性を再認識させられます。 「かわいい」という理由だけで犬を飼い、途中で遺棄する人がいるかもしれません。しかし、犬の平均寿命は約15年です。その覚悟を持って、しっかりと考えたうえで飼い始めましょう。
コメンテータープロフィール
大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。
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