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井上智介

井上智介

認証済み

精神科医/産業医

報告

見解御家族としても、メディアで取材を受けることは苦痛だったとお察しします。容疑者への憎悪だけではなく、『もっと早く何か出来たのではないか…』という無力感や、『取材をきっかけに、いつか本人が報復されるかも…』などの恐怖心もあるでしょう。 旧ジャニーズ事務所の問題で、男性が性暴力の被害者になる事実も社会的に目を向けられてきた印象があります。たしかに、物理的な腕力の面では、女性が被害者になりやすいです。しかし、芸能界やスポーツ界、教育業界などでは上下関係もはっきりし、社会的な力のアンバランスで性別に関係なく被害者になりえます。 今までの『男性は性暴力の被害者にならない』という社会的な否認は、より男性被害者の声の上げにくさに繋がっていたでしょう。しかし、これからは、男性がセクハラを振るわれた話を耳にした時も、誰もが『とんでもないことが起きた』と捉えられる価値観のアップデートが必要でしょう。

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  • 藤野智哉

    精神科医

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コメンテータープロフィール

兵庫県出身。島根大学を卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動している。産業医としては毎月30社以上を訪問し、一般的な労働の安全衛生の指導に加えて、社内の人間関係のトラブルやハラスメントなどで苦しむ従業員にカウンセリング要素を取り入れた対話を重視した精神的なケアを行う。精神科医としてはうつ病、発達障害、適応障害などの疾患の治療だけではなく、自殺に至る心理、災害や家庭、犯罪などのトラウマケアにも力をいれている。さらに、ブログやツイッター、講演会などでこれらを分かりやすく「ラフな人生をめざすこと」を発信している。

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