見解ハリス氏は大統領選で民主主義を守る重要性も訴えてきました。問題は「民主主義って、いったい何?」ということかもしれません。民主主義の概念は広軌にわたるし、抽象的でもあります。“確かに民主主義を守ることは大切だけど何だかよくわからない、それよりも、明日ご飯を食べることができるかが心配”と具体的に直面している経済問題を重視して投票した有権者が多かったのではないかと思われます。同様に、民主主義を守るために莫大な予算を投じて戦争を支援し続けることよりも、戦争で日々失われている命を守ることの方が先決と考える人々や、米国民の日々の暮らしを守ることの方に予算をかけてほしいと考える人々がいたことも、選挙の結果に影響を与えたのではないでしょうか。
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コメンテータープロフィール
大分県生まれ。早稲田大学卒業。出版社にて編集記者を務めた後、渡米。ロサンゼルスを拠点に、政治、経済、社会、トレンドなどをテーマに、様々なメディアに寄稿している。ノーム・チョムスキー、ロバート・シラー、ジェームズ・ワトソン、ジャレド・ダイアモンド、エズラ・ヴォーゲル、ジム・ロジャーズなど多数の知識人にインタビュー。著書に『9・11の標的をつくった男 天才と差別ー建築家ミノル・ヤマサキの生涯』(講談社刊)、『そしてぼくは銃口を向けた」』、『銃弾の向こう側』、『ある日本人ゲイの告白』(草思社刊)、訳書に『封印された「放射能」の恐怖 フクシマ事故で何人がガンになるのか』(講談社 )がある。
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