補足おにぎりなど消費期限の短い食品を値引きして売り切るのは食品ロス削減の観点から良い取り組みです。が、スーパーでは昔から続けてきたごく当たり前の取り組みです。セブンオーナーの中には2000年代初めから値引き販売で売り切ろうとしてきた人がいます。当時、セブンイレブン本部はその値引きを禁止し、そのことが独占禁止法の優越的地位の濫用にあたるとして、2009年6月、セブンイレブン本部は公正取引委員会の排除措置命令を受けました。この時に値引きを推奨すればよかったのに、なぜ15年も経った今、ことさらアピールするのでしょう。当時から値引き販売しているセブンオーナーから言わせれば「今さら」です。ナナコカードを持っている客だけを対象に期限接近商品を買えば5%ポイントつける「エシカルプロジェクト」はどこへいったのでしょう。今ごろ「値引き推奨」と宣言し、マスメディアがわざわざ報じる背景には裏の事情があると考えます。
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コメンテータープロフィール
奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)、修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。3.11食料支援で廃棄に衝撃を受け、誕生日を冠した(株)office3.11設立。食品ロス削減推進法成立に協力した。著書に『食料危機』『あるものでまかなう生活』『賞味期限のウソ』『捨てないパン屋の挑戦』他。食品ロスを全国的に注目させたとして食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018/食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞受賞。https://iderumi.theletter.jp/about