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星周一郎

星周一郎認証済み

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東京都立大学法学部教授

報告

補足インサイダー取引には、記事にもあるように、違法に得た収益を国に納付させる行政処分である「課徴金」と、刑事処罰が定められています。 そして、その容疑に関しては、証券取引等監視委員会が「調査」を行い、その結果、課徴金対象の違法行為があると認めたときは金融庁長官らに勧告をし、金融庁で「審判手続」が行われ、課徴金に関する決定がされます。 より悪質で、刑事処罰に値すると認めたときには、地検等の刑事司法へ「告発」がされます。今回この告発がされたことに伴い、東京地検特捜部では「捜査」をさらに行い、起訴するか否かを決定します。 「貯蓄から投資へ」のかけ声のもと、株取引がより身近になる一方、市場取引に関してはAI等による不正検知も行っていると思われ、不正行為は厳に慎む必要があります。より高度な公正性が求められる裁判官職にある者(出向中ですが)や東証職員にこのような容疑があるのは、大変残念なことです。

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コメンテータープロフィール

1969年愛知県生まれ。東京都立大学法学部卒業、博士(法学・東京都立大学)。専門は刑事法。近年は情報法や医事法にも研究対象を拡げている。著書として『放火罪の理論』(東京大学出版会・2004年)、『防犯カメラと刑事手続』(弘文堂・2012年)、『現代社会と実質的刑事法論』(成文堂・2023年)、『アメリカ刑法』(訳・レクシスネクシス・ジャパン・2008年)など。

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