Yahoo!ニュース

服部倫卓

服部倫卓認証済み

認証済み

北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授

報告

見解今回の会談は、ごく大まかな方向性についてのみ話したのだと想像するが、仮にトランプ氏とプーチン大統領の間で、ウクライナに関する大筋の合意がまとまったとしても、肝心のウクライナ自身がそれを受け入れるかは別だし、EUの意向もある。 仮にロシアによる現時点の占領地の領有を認めるような方向性が出てきたとしても、ロシアはクリミアに加え新たな4地域の全面併合を主張しており、現時点ではその一部を占領しているに過ぎないので、どこで線引きするかという問題は残る。 そもそも、プーチン政権の野心が既存の4地域に留まるとは考えられず、部分的にでも譲歩すれば後により大きな喪失を招きかねないという認識があるからこそ、ウクライナは抵抗を続けているわけであって、根本の問題は解決しない。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 鶴岡路人

    慶應義塾大学総合政策学部准教授

    解説プーチン大統領に対して、欧州における米軍のプレゼンスにも触れたうえで、「戦争拡大しないように」求めた…続きを読む

コメンテータープロフィール

服部倫卓

北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授

1964年静岡県生まれ。主な著作に、『不思議の国ベラルーシ ―ナショナリズムから遠く離れてー』、『ウクライナを知るための65章』(共編著)など。趣味は音楽鑑賞(主に1950~1970年代のソウル、ロック、ポップス)と、サッカー観戦(清水エスパルスのサポーター)。

関連リンク(外部サイト)

服部倫卓の最近のコメント