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鶴岡路人

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慶應義塾大学総合政策学部准教授

報告

解説プーチン大統領に対して、欧州における米軍のプレゼンスにも触れたうえで、「戦争拡大しないように」求めたとの報道は興味深い。「米国をなめるな」というメッセージであり、トランプ氏の主張する「強さ(力)による平和(peace through strength)」とも合致する。 ただし、ロシアが要求しているものと、米国として受け入れ可能なもの、ウクライナが受け入れ可能なものの間にはかなりの開きがある。これを埋めるために、米国は、ウクライナからの譲歩のみならず、ロシアからの譲歩が不可欠になる。これがどこまでできるのかが鍵になる。この点で、トランプ政権の方針はまだ全く見えてきていない。 なお、この記事が依拠するワシントン・ポスト記事でもう1点懸念されるのは、トランプ次期大統領と各国首脳の一連の電話会談に、国務省などの米国政府が一切関与していないという指摘だ。通訳も相手側に依存しているようだ。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 服部倫卓

    北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター教授

    見解今回の会談は、ごく大まかな方向性についてのみ話したのだと想像するが、仮にトランプ氏とプーチン大統領の…続きを読む

コメンテータープロフィール

鶴岡路人

慶應義塾大学総合政策学部准教授

専門は国際安全保障、現代欧州政治。慶應義塾大学法学部卒。同大学大学院、米ジョージタウン大学大学院で学び、英ロンドン大学キングス・カレッジ戦争研究学部で博士号(PhD)取得。在ベルギー日本大使館専門調査員(NATO担当)を経て、2009年から2017年まで防衛省防衛研究所教官、主任研究官。その間、防衛省防衛政策局国際政策課部員、英王立防衛安全保障研究所(RUSI)訪問研究員等を務める。2017年から現職。著書に『欧州戦争としてのウクライナ侵攻』(新潮選書、2023年)、『EU離脱』(ちくま新書、2020年)等。また、2023年から2024年までオーストラリア国立大学(ANU)訪問研究員。

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