Yahoo!ニュース

原田隆之

原田隆之認証済み

認証済み

筑波大学教授

報告

提言昨年「わいせつ教員対策法」が施行され、性暴力によって懲戒免職となった人の教員免許再取得がきわめて困難になりました。保育士についても児童福祉法が改正され、同様に保育士登録を取り消された場合、再登録ができなくなりました。しかし、このような縦割りの対策には限界があります。教員や保育士になれなくても、子どもと接する職業はたくさんあるからです。民間事業者が「日本版DBS」を活用できるようになるのはよいことですが、それで安心はできません。手上げ方式で十分か、対象は刑法犯限定でよいのか、示談などで不起訴となったケースはどうなるのかなど、問題はたくさんあります。したがって、子どもへの性犯罪防止教育、加害者への治療などを行うことも重要です。さらに、この制度が、職業選択の自由や人権を制限する制度であることを忘れてはならず、「子どもを守る」という錦の御旗の前に人権面での議論を軽視することがあってはいけません。

こちらの記事は掲載が終了しています

参考になった213

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 京師美佳

    防犯アドバイザー/犯罪予知アナリスト

    見解塾でも度々、講師からのわいせつ被害や盗撮事案が発生しています。中には対策として教室内に防犯カメラを設…続きを読む

  • なかのかおり

    ジャーナリスト(福祉・医療・労働)、早稲田大研究所招聘研究員

    補足最近も大手塾で、講師の盗撮事件があり、保護者から意見を聞いているところでした。 保育所や学校で働け…続きを読む

コメンテータープロフィール

筑波大学教授,東京大学客員教授。博士(保健学)。専門は, 臨床心理学,犯罪心理学,精神保健学。法務省,国連薬物・犯罪事務所(UNODC)勤務を経て,現職。エビデンスに基づく依存症の臨床と理解,犯罪や社会問題の分析と治療がテーマです。疑似科学や根拠のない言説を排して,犯罪,依存症,社会問題などさまざまな社会的「事件」に対する科学的な理解を目指します。主な著書に「あなたもきっと依存症」(文春新書)「子どもを虐待から守る科学」(金剛出版)「痴漢外来:性犯罪と闘う科学」「サイコパスの真実」「入門 犯罪心理学」(いずれもちくま新書),「心理職のためのエビデンス・ベイスト・プラクティス入門」(金剛出版)。

関連リンク(外部サイト)

原田隆之の最近のコメント

  • 原田隆之

    筑波大学教授

    見解再発防止特別チームが、故ジャニー氏の性加害を認めたことは大変大きな一歩だと思います。その原因として、…続きを読む

    こちらの記事は掲載が終了しています

  • 原田隆之

    筑波大学教授

    見解DJ SODAさんの「性暴力」被害の後、被害者であるDJ SODAさんを支持する多くの声が寄せられま…続きを読む

    こちらの記事は掲載が終了しています