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原田隆之

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筑波大学教授

報告

見解再発防止特別チームが、故ジャニー氏の性加害を認めたことは大変大きな一歩だと思います。その原因として、ジャニー氏の「性嗜好異常」とともに、ジャニーズ事務所の社長や会社の不作為を挙げています。チームには、精神科医や心理学の専門家がいますので、おそらく「小児性愛症」などの推定がなされたのではないかと思います。さらに、ジャニー氏の個人的な問題に加え、会社としての組織的な不作為があったために、長きにわたって多くの被害者を出し続けてしまったという原因の分析がなされました。今後の対策として特に注目したいのは「人権方針の策定と実施」「人権尊重に関する研修」という項目です。これらの性加害は、「性的自己決定権」「性的自由」という重大な人権を侵害した行為だからです。さらに、被害者の救済、同族経営の弊害をはじめとするガバナンスの問題に触れ、抜本的な対策を提言しています。今後の会社側の対応に注目したいと思います。

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コメンテータープロフィール

筑波大学教授,東京大学客員教授。博士(保健学)。専門は, 臨床心理学,犯罪心理学,精神保健学。法務省,国連薬物・犯罪事務所(UNODC)勤務を経て,現職。エビデンスに基づく依存症の臨床と理解,犯罪や社会問題の分析と治療がテーマです。疑似科学や根拠のない言説を排して,犯罪,依存症,社会問題などさまざまな社会的「事件」に対する科学的な理解を目指します。主な著書に「あなたもきっと依存症」(文春新書)「子どもを虐待から守る科学」(金剛出版)「痴漢外来:性犯罪と闘う科学」「サイコパスの真実」「入門 犯罪心理学」(いずれもちくま新書),「心理職のためのエビデンス・ベイスト・プラクティス入門」(金剛出版)。

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