見解そもそもクレームとカスハラの見極めの基準は、企業や業界によって違うと言えます。航空会社は特殊な業界でもあるため、大手2社が共同で「カスハラ対策」をルール化し、発表したことは大きな意義があるのではないでしょうか。 特に機内での悪質なカスハラに対しては、これに対応する職員はもちろん、他の乗客にも危険が及ぶ可能性もあるため、的確に慎重に対応することが求められます。これまでは、どこから「カスハラ」になるのか、「的確な対応」とは具体的にどのようなことなのかが不明瞭で職員1人ひとりの対応力に委ねられているような場面が多かったのでしょう。これでは対応がうまくいかなかった場合、職員1人が責任を負いかねず、精神的な疲弊に繋がります。 新ルールができたことで航空業界の「カスハラ対策」が大きく進んだことは間違いなく、1人でも多くの職員が安心して接客できれば、より魅力的な業界になるのではないでしょうか。
コメンテータープロフィール
ストレスマネジメント専門家〈博士/筑波大学大学院博士課程修了)。メンタルシンクタンク(筑波大学発ベンチャー)副社長。文理シナジー学会監事。企業広報ネットワーク理事。AIカウンセリング「ストレスマネジメント支援システム」発明(特許取得済み)。国家資格として公認心理師、精神保健福祉士、第1種衛生管理者、キャリアコンサルタントなどを保有。カウンセラーとして約1万人の相談に対応し、中央官庁や地方自治体のメンタルヘルス対策に携わる。著書に11月7日発売『発達障害グレーゾーンの部下』(SB新書)、『なんとかなると思えるレッスン』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)等がある。
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