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藤野智哉

藤野智哉

認証済み

精神科医

報告

見解悪徳な不動産や商法、詐欺の話が出ると「こんなバレバレの詐欺に引っかかる方も悪い」と言う方が必ず出ます。しかしこの事件のように被害者の中には認知機能の低下や知的能力の問題で通常の判断が難しい方も多くいます。そういった方々を狙い撃ちにしてむしり取ることが許されるはずはなく、全責任は当然犯罪者の側にあります。 知的能力に関しては自分は平均くらいと考えている人が多いですが正規分布ですので我々の約半分はI Qが100以下です。こういった話をしてもまだ他人事と考える方も多いのですが、認知機能は歳とともに落ちますし、外傷や脳出血で知的な能力が落ちることもあり自身や家族にとっても全く他人事ではありません。 精神科に通う患者さんの中には後見人制度などを用いている方も多くいますが、制度を利用していても十分な対策とは言えません。名簿の出所や事件の全容を明らかにし、国をあげて対策をしていって欲しいものです。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 多田文明

    詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト

    解説警察により高齢者の大量の名簿が押収されましたが「認知症の高齢者を狙って不動産契約を持ちかけていた」こ…続きを読む

  • 佐々木成三

    元刑事部捜査第一課・警部補/一般社団法人スクールポリス理事

    解説今、個人情報を漏れているといった前提で対策を講じなければいけません。 この詐欺マニュアルには判断能力…続きを読む

コメンテータープロフィール

1991年7月8日生まれ。 秋田大学医学部卒業。 精神鑑定などの司法精神医学分野にも興味を持ち、現在は精神科病院勤務の傍ら医療刑務所の医師としても務める。

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