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阿古智子

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東京大学 総合文化研究科 教授

報告

解説中国の住民は国家の政策を着実に実行するための実働部隊として、さまざまな形で組織されている。例えば、日本でいう町内会、自治会のような位置づけにある「居民委員会(居委会)」は、都市住民の自治組織と定義されているが、実際には行政の下部組織としてさまざまな任務に当たる。「ゼロ・コロナ」政策のロックダウン下では、住民の出入りを監視し、PCR検査を着実に執行するために、居委会のスタッフやその他住民ボランティアが有償・無償で働いた。「国家の安全」を最重視し、治安強化や公衆衛生のためだとして、積極的に協力する人もいるが、そのようにして国民が駆り出されることに反感を覚える人もいる。

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  • 高口康太

    ジャーナリスト、翻訳家

    補足中国のメディアは政府の統制下にあるので、社会問題など不満を訴えたい中国市民は海外メディアに頼りがちで…続きを読む

コメンテータープロフィール

阿古智子

東京大学 総合文化研究科 教授

1971年大阪府生まれ。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。大阪外国語大学、名古屋大学大学院を経て、香港大学教育学系Ph.D(博士)取得。在中国日本大使館専門調査員、早稲田大学准教授などを経て、2013年より現職。主な著書に『貧者を喰らう国―中国格差社会からの警告』(新潮選書)、『超大国中国のゆくえ―勃興する民』(新保敦子と共著、東京大学出版会)、『香港 あなたはどこへ向かうのか』(出版舎ジグ)など。

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