35人死亡の車暴走事件に神経をとがらせる中国当局、市民が供えた花やろうそくを撤去
13日、中国南部の珠海市で今週発生した車暴走事件への対応を巡り、市民の怒りが高まっている。こうした状況に神経をとがらせる中国当局は、この事件に関する報道やSNSの投稿を制限する措置を講じている模様だ。また現場となった体育施設に市民が供えた花やろうそくは、一夜にして撤去された。 事件は11日、男が広東省珠海市の体育施設周辺にいた人々に車を突っ込ませ、35人が死亡し43人が負傷したというもの。 だが当局は死者数をほぼ1日発表せず、国営メディアもほとんど報じなかった。SNS上の一部で政府の対応を批判したり、今回の襲撃が中国社会にとって何を意味するのかを問う声が上がったが、こうした投稿は当局によってすぐに削除された。 また現場となった体育施設前には、市民によって花やろうそくが供えられていたが、12日夕方にはなくなっていた。現場にいたロイターの記者によると、それらは夜間に撤去されたという。 体育施設の西側は金属製のバリケードで封鎖され、警備員が警戒に当たっていた。 撤去されても、市民は13日朝も新たな花を供え続けた。 市民 「(献花に訪れたのは)自然な感情だ。(犠牲者は)知り合いではないが、以前家族が他界した時と同じような気持ちになった。だからなんとなくその気持ちがわかる」 「国民の幸福を根本的に向上させ、すべての人の平等を確保する必要がある。極端な考えがあってはならない。無実の人が巻き込まれたが、彼らが何をしたというのか」 地元警察は、容疑者はファンという名の62歳の男だとしている。容疑者は事件後、自らを切りつけて重傷を負い、現在治療中。警察は、男が自身の離婚に関する不満が動機になったとしている。 中国当局は13日、負傷者の治療に「全力を尽くす」考えを示した。