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秋山文野

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サイエンスライター/翻訳者(宇宙開発)

報告

解説大阪公立大学、東京大学、ユタ大学などの研究チームが2021年5月に検出した超高エネルギー粒子「アマテラス粒子」は、「最強級の宇宙線」と表現されています。このクラスのエネルギー粒子検出は実に30年ぶりで前回1991年にユタ大学で観測された際には、銀河系の中には発生源となる天体現象が存在しないことから「オーマイゴッド粒子」と名付けられました。320エクサ電子ボルトというオーマイゴッド粒子のエネルギーを、ユタ大学の研究者は「単一の素粒子でありながら、腰の高さからつま先にレンガを落とすのと同じ程度のエネルギー」と例えています。今回ついに同等のエネルギーを持つアマテラス粒子が発見されたものの、粒子がやってきたと考えられる方向は、天の川銀河を含む局所銀河群に囲まれた、いわば隙間のような物質がほとんどない「ローカルボイド」と呼ばれる領域だと考えられ、発生源の謎が深まっています。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 本間希樹

    天文学者/国立天文台 水沢VLBI観測所所長・教授

    補足今回の宇宙線イベントは、テレスコープアレイが10年以上の観測で検出した中で最もエネルギーが高いもので…続きを読む

コメンテータープロフィール

秋山文野

サイエンスライター/翻訳者(宇宙開発)

1990年代からパソコン雑誌の編集・ライターを経てサイエンスライターへ。ロケット/人工衛星プロジェクトから宇宙探査、宇宙政策、宇宙ビジネス、NewSpace事情、宇宙開発史まで。著書に電子書籍『「はやぶさ」7年60億kmのミッション完全解説』、訳書に『ロケットガールの誕生 コンピューターになった女性たち』ほか。2023年4月より文部科学省 宇宙開発利用部会臨時委員。

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