宇宙漂うH2Aロケット残骸、50メートルまで接近し撮影…新興企業アストロスケールの衛星
宇宙ごみ(スペースデブリ)の除去ビジネスを目指す宇宙新興企業「アストロスケール」(東京)は、同社の人工衛星「ADRAS(アドラス)―J」が、デブリとなって宇宙空間を漂う日本のH2Aロケットの残骸に約50メートルまで接近し、撮影したと発表した。 【図】日本人宇宙飛行士の月面着陸のイメージ
衛星は今年2月に打ち上げられ、地球の周回軌道上を移動するH2Aロケットの上段部分(全長約11メートル)への接近を開始した。4月には数百メートルまで近づき、撮影画像を公開。今回は、さらに約50メートル後方まで近づいて撮影することに成功した。
画像からは、ロケットに大きな損傷がないことや、機体の左右に表面保護テープとみられるひも状の物体があることもわかった。衛星は今後、デブリを周回したり、最短数メートルまで近づいたりして、さらに詳細な観測を行う計画だ。
軌道上に長期間漂うデブリの動きや、劣化・損傷状態に関するデータは世界的にも少ない。同社は観測結果を生かしてデブリを捕獲して除去する技術を確立し、将来のビジネス化を目指す。