介護に疲れていませんか?「介護殺人」をおこさないために #専門家のまとめ
年末年始は、家族での介護時間が長くなる傾向があります。デイサービスやホームヘルプサービスが休みになる事業所もあり、なかには、高齢者施設に入居中の家族を一時帰宅させた方もいるでしょう。そんななか、「もっと、介護をがんばらなければ」と離職を検討している人もいるかもしれません。しかし、介護に専念するほど、介護疲れやストレスはたまるケースも。「介護殺人の報道を見聞きすることが増えた」と思っているのは筆者だけではないと思います。他人事ではありません。最悪の事態を防ぐためのヒントとなる記事を紹介します。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
「介護は、家族で何とかしなければ」と考えていませんか。けれども、「何とかしなければ」と思うほど、視野が狭くなり、とんでもない方向にことが流れていくことがあります。リンクした2本目の記事で、妻を殺害した被告は「私も妻もよく言えばプライド、悪く言えば見栄っ張りで、人には弱みを見せたくなかった。 家族のことは家族でなんとかしなければというのがあったのかもしれない」と語っています。
3本目の記事では、61歳の息子は92歳の母親を介護するためフランス料理のシェフを辞め、1日のほとんどを介護に。母親の首を体感で20分くらい絞め、自らも大量の睡眠薬を飲むなどして自殺を図っています。
介護に専念しても、多くの場合、物事は好転せず、「孤立」や「負担増加」というリスクがあることを理解すべきです。地元の地域包括支援センターやケアマネジャーなどの介護の専門家、医師などに、「辛いです」「苦しいです」と訴え、負担軽減の方策について相談を。また、虐待を受けていると思われる高齢者を発見した場合(疑わしい場合も含む)も、地域包括支援センターに通報してください。高齢者を虐待などから守る「緊急一時保護」という制度もあります。