Yahoo!ニュース

Yahoo!ニュースこの1年の取り組み

Yahoo!ニュースは、日々コンテンツパートナーの皆さま(以下、パートナー)から配信いただく数千の記事をユーザーにお届けしています。ここでは、信頼されるサービスを目指して注力した施策を紹介します。

2021年のYahoo!ニュース

Yahoo!ニュースのミッションは、ユーザーの「課題解決と行動につながるニュースを伝える」です。また、信頼される公共性の高い情報流通の場として、多様な情報が健全に流通することを大切にし、多くのユーザーに安心してご利用いただきたいと考えています。

2021年には、自然災害や新型コロナ感染症拡大、衆議院選挙、東京五輪などさまざまな出来事がありましたが、それぞれに応じて、早く正確に分かりやすく情報をお届けしました。その一方、ユーザーへの影響に配慮した自殺報道対策を行うなど、届け方にも工夫をしています。

また、良質で多様な記事を持続的にユーザーへ届けられる豊かな情報流通環境(メディアのエコシステム)の実現を目指しています。ページビューに限らない記事評価指標を構築すべく、ユーザーのリアクションを記事評価につなげる「記事リアクションボタン」を導入し、これを活用した配信料の支払いを開始しました。

さらに、ユーザーの皆さまに安心してYahoo!ニュースをご利用いただくために、コメント欄の健全化に向けた対策を進めるとともに、「メディア透明性レポート」を出すなど、透明化を推進しました。

媒体数・記事本数

情報提供元メディアは約670媒体で、毎日約7,500本の記事を配信いただいています(2021年12月時点)。

2021年12月末時点の社内データでは、契約社数は430社以上 契約媒体数は670媒体以上 記事本数は一日に約7500本配信いただいてます。

1. 新型コロナウイルス・災害への対応

2021年も新型コロナウイルスの影響は続き、数多くの自然災害も発生しました。Yahoo!ニュースではユーザーの生命・財産に関わる情報をいち早く、正確にお届けするためにさまざまな取り組みを行っています。

新型コロナウイルス

感染状況、自治体の発信など最新情報を掲載

新型コロナウイルス関連では2020年に続き、感染者数の推移やどの都道府県に緊急事態宣言が出されているかなどを随時更新しています。情報提供元メディアからの配信記事や感染症の専門家らによる解説、都道府県ごとの情報、ワクチン接種や給付金の関連情報などを網羅的に発信することに努めました。

さらに、逼迫(ひっぱく)する医療を支える医療従事者の方々に対しユーザーが感謝の気持ちを表明する特設ページを開設しました。

正しい情報を届けて、誤情報の拡散を防ぐ

新型コロナウイルスの誤情報に対して注意を促すYahoo!ニュース トピックスを作成し、ユーザーに届けています。「新型コロナウイルス感染症まとめ」などのページではYahoo!ニュース 個人のオーサーを含む専門家らの解説やファクトチェック情報、啓発コンテンツなども掲載しています。
また、一人一人がデマや誤情報へどう対策していくべきかを探るコンテンツ「「フェイクニュース」への備え~デマや不確かな情報に惑わされないために~」を制作しました。

自然災害

災害への警戒、避難行動につながる情報を伝える

災害発生時には、Yahoo!ニュース トピックスのほか、特設ページで関連ニュースや映像ニュースのライブ配信などをまとめて提供しています。またYahoo! JAPANアプリとYahoo!ニュースアプリではプッシュ通知によって緊急性の高い情報を速やかに届けたり、地域設定しているユーザーにその地域の情報を届けたりしています。

Yahoo!ニュース トピックスでは「令和3年7月伊豆山土砂災害」について、1週間で約70本を作成するなど、災害に関する情報は特に手厚く届けています。トピックスの詳細ページの「ココがポイント」欄では画像なども活用し、避難につながる情報や今後の見通しを伝えました。西日本を中心に大きな被害を出した 「令和3年8月豪雨」特設ページでは、約8割のユーザーより「役に立つ」「分かりやすい」と評価(※)いただきました。

また記事に募金リンクを設置し、被災地支援につなげる取り組みも行っています。

※Yahoo! JAPANが2021年9月に実施した「Yahoo!クラウドソーシングでの調査」より。n=2,603

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2.情報流通の場として

情報によっては、ユーザーに深刻な影響を及ぼすおそれがあります。情報流通の場としてどうあるべきか、Yahoo!ニュースは模索を続けています。

自殺報道への配慮

記事がユーザーに及ぼす影響に配慮する

自殺に関する報道はユーザーに強い影響を与える場合があります。

Yahoo!ニュース トピックスなどで関連記事を掲載する際には、WHOの「自殺対策を推進するためにメディア関係者に知ってもらいたい基礎知識(PDF・外部サイト)」などを参考にしながら十分配慮するとともに、相談窓口情報などを表示しています。

また、「パパゲーノ効果」を意識した「生きるのがつらいあなたへ――「死にたい」「消えたい」と思ったら」や、Yahoo!ニュース コメントに寄せられた体験談をもとにした「学校行かないとダメですか?​​」などのオリジナルコンテンツを制作しました。

「パパゲーノ効果」とは、報道による自殺予防効果の研究で提唱された概念。自殺報道などにより自殺の連鎖が起きてしまうことを指す「ウェルテル効果」と反対の概念のこと。

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3.多様な意見や考えを伝える

Yahoo!ニュースは、インターネットの双方向性という特性を生かし、メディアによる情報発信だけでなく、ユーザーの皆さまが発信主体となることで新しい価値が生まれると信じています。

世の中には多様な意見や考えがあることを伝え、新たな気づきや視点を得てもらうことで、より良い社会の実現に向けた一人一人の行動につなげていきたい、という思いから、2007年よりコメント欄を提供しています。

コメント欄

安心してご利用いただくために

人権侵害や誹謗(ひぼう)中傷に当たるおそれのある投稿は禁止しており、ユーザー一人一人の多様な意見を尊重しながら、健全な言論空間を創出するための取り組みを行っています。

個人に対する誹謗(ひぼう)中傷などを内容とする投稿への対応や今後の方針を検討するため、「プラットフォームサービスの運営の在り方検討会」を開催し、さまざまな分野の専門家の方から提言書をいただきました。これを受け、Yahoo! JAPANにおける、個人に対する誹謗中傷などを内容とする投稿への対応や今後の方針を策定しています(2020年12月)。

さらに、提言書を踏まえ、「メディア透明性レポート」を公開しました(2021年12月)。

メディア透明性レポートを社会全体に公開することで、ユーザーや外部有識者からご意見をいただき、取り組みの再検証を行う等、自主的取り組みの継続的な改善のためのエコシステムの構築につなげます。

コメント欄におけるさらなる言論空間の健全化を目指すため、記事単位でコメント欄を自動的に非表示とする機能を導入しました(2021年10月)。

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4. 国民的イベントへの対応

Yahoo!ニュースは、社会にとって重要なイベントをしっかり伝えることで、ユーザーの興味関心に応え、理解促進に貢献していきたいと考えています。

東京五輪・パラリンピック

東京五輪で知りたい情報はここにある

1年延期となった東京五輪・パラリンピック(2021年7~9月)に対しても、特設サイトで各競技の日程や結果に加えて、聖火リレーなど、国民の関心が高いイベントも取り上げました。選手のプロフィールや競技ルールの説明など、図表を併用して視覚的に分かりやすい表現も追求しました。

調査会社ニールセンによると、Yahoo! JAPANはインターネット上で東京五輪・パラリンピックに関するコンテンツが最も視聴されたサービスでした。

「東京五輪・パラリンピックに関するコンテンツをインターネット上のどのサービスで視聴したか」の調査では、1位がYahoo!で回答率49%、2位がYouTubeで23%、3位がNHKのサイトやアプリで16%、4位がLINEで14%、5位がSmartNewsで12%でした。サンプル数は298人です。

衆議院議員選挙

政党との相性診断から、当日の開票速報まで

2021年10月に行われた衆院選では特設サイトを公開し、各政党との相性診断や候補者情報、選挙の基礎知識や激戦区などの解説を展開しました。投開票日当日は全国の開票速報を伝えるとともに、都道府県単位で候補者の当確情報をアプリのプッシュ通知でお知らせしました。

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5. 豊かな情報流通環境の発展のために

良質で多様な記事を持続的にユーザーに届けるため、ページビューに限らない記事評価指標の構築を目指しています。

記事リアクションボタンを導入

ユーザーが記事に対し、フィードバックを行える「記事リアクションボタン」を導入しました。ページビューによる配信料の支払いや情報提供元メディアへのユーザー送客などに加え、ユーザーのリアクションを活用して、情報提供元メディアに配信料として還元します。これにより、良質で多様な記事を持続的にユーザーへ届けられる豊かな情報流通環境(メディアのエコシステム)を構築していきたいと考えています。

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6. コンテンツの力でより良い社会へ

Yahoo!ニュースは、平和で健全な社会の構築に資するよう、コンテンツを制作したり、制作の支援をしたりしています。

未来に残す 戦争の記憶

未来に残す 戦争の記憶」は、戦争の記憶と記録を伝える100年間のプロジェクトとして2015年にスタート。戦争体験を未来の世代へ伝えることを目的に、全国各地の新聞社、テレビ局と共同で戦争に関わるコンテンツなどの制作、掲出を続けています。

ノンフィクション本大賞

本屋大賞との共催で実施している「ノンフィクション本大賞」は2018年にスタートし、4回目を迎えました。日々報道されるニュースとは違う、社会課題を深く知る体験、まだ知らないテーマに出会う体験を提供し続けています。

終わりに

Yahoo!ニュースは、今後も信頼される公共性の高い情報流通の場として、ユーザーそして情報提供元メディアの皆さまに信頼していただけるよう改善を続けていきます。