梅雨前線の北で夏のような気圧配置
全国的に晴れ
令和元年(2019年)5月は、ほぼ全国的に晴れて気温が高い日が続いています。
5月12日(日)も、釧路など北海道の一部や石垣島など沖縄県先島諸島でくもりの他は、ほぼ全国的に晴れる見込みです。
ただ、日本上空には冬の名残の寒気が少し残っていますので、強い日差しで地上付近の気温が上昇すると、大気が不安定となって積乱雲が発達し、雷雨の可能性があります。
5月12日(日)は、東日本の太平洋側を中心に午後は山沿いや内陸でにわか雨や雷雨の所がありそうです(図2)。
5月12日(日)の最高気温は九州から東海では平年より高く、その他の地域では平年並みか低い予想となっていますが、週明け以降は、北海道と東北の日本海側から西日本の日本海側を中心に気温が高くなる見込みです。
このため、気象庁では、高温に関する異常天候早期警戒情報を発表して警戒を呼び掛けています(図3)。
広く高気圧に
「暖春」とも呼ばれる現象になっていますが、この原因は、日本の東海上にある大きな高気圧です。
春は、高気圧と低気圧が交互に通過し、天気が移り変わりやすいというのが一般的ですが、今年は高気圧の次に低気圧がなかなかやってきません。
高気圧のあとには、気圧の谷と表現される低気圧のようなもので、くもりや雨になるのですが、長続きせず、すぐに次の高気圧がやってきて、日本の東海上で発達します(図4)。
このため、日本付近は、高気圧の縁辺部をまわるように暖気が日本海側の地方に入ることが多くなりましたし、これからもなる予想です。
日本海側の地方では、山越えの風ということになりますので、時によっては、フェーン現象も加わって気温が上昇する可能性もあります。
ただ、この高気圧は、もともとは乾燥した大陸で発生した揚子江高気圧です。
梅雨期に冷たくて湿った空気を送り込むオホーツク海高気圧ではありません。
また、日本の夏に暖かくて湿った空気を送り込む、海洋上で発生する湿った太平洋高気圧でもありません。
海洋上に長くいることで変質して多少湿ったとしても、乾燥した空気を送り込んできます。
乾燥した日が多いので、暖かさにつられて野山に出かけたときは火の取り扱いには要注意です。
大火の可能性があるからです。
平成から令和へ
平成最後の4月の初めは、冬日(最低気温が0度未満)の観測地点数が、気温を観測している全国926地点の半数を超えていました。
4月後半になると、冬日と夏日(最高気温が25度以上)が拮抗するようになり、令和になると、ほとんどの日で夏日が冬日を上回っています(図5)。
5月11日(土)は、夏日を観測したのが全国の49%にあたる457地点でした。
梅雨前線は、中国大陸から沖縄県先島諸島付近に達したあと、弱まっていますが、沖縄県の週間予報をみると、今週は雨やくもりの日が多くなっています(図6)。
今週は沖縄の梅雨入りがあるかもしれません。
ちなみに、沖縄の平年の梅雨入りは、5月9日です。
ただ、沖縄以外は、梅雨前線の北側にある高気圧によって、梅雨の気配がないまま約1カ月続きます。
タイトル画像の出典:ウェザーマップ・高橋和也気象予報士提供。
図1、図2の出典:ウェザーマップ提供。
図3、図4、図6の出典:気象庁ホームページ。
図5の出典:ウェザーマップ資料をもとに著者作成。