【赤穂市】12月といえば「忠臣蔵」。名場面を描いた「忠臣蔵絵付の洋食器」をぜひ見ていただきたい
12月といえば、忠臣蔵のシーズン。12月14日は、赤穂市街地でもにぎやかに市をあげて「赤穂義士祭」が開催されます。そんなシーズンに見ていただきたいのが「忠臣蔵絵付けの洋食器」です。赤穂御崎にある「桃井ミュージアム」では、100年の時を経て日本に里帰りした、同館館長のコレクションを12月末まで展示しています。名場面を描いた洋食器の絵柄だけでなく、器としての驚くような軽さも実感でき、当時の技術のすばらしさを感じることができます。
桃井ミュージアムで11月6日からスタートしている「忠臣蔵絵付けの洋食器」展は、明治中期にイギリスなどに輸出された品々で、討ち入り場面や浅野内匠頭の切腹の様子などが緻密に描かれた皿やコーヒーカップなどを展示した企画展です。同館館長の桃井香子さんが、忠臣蔵絵付けの器が外国にあることがわかり、7~8年前から、集めているものの一部です。
展示されている洋食器の絵柄は『仮名手本忠臣蔵』浮世絵をモチーフにしたもの。切腹やあだ討ち、忠義の心など“日本的”な図柄の忠臣蔵は海外で好まれ、日本人の気質として受け入れられていたそう。その流れを受けて、当時日本でも薄い洋食器が多く作られたそうです。
義士が吉良邸に討ち入る名シーンはもちろん、討ち取った吉良上野介の首を、泉岳寺に眠る浅野内匠頭の墓前に供えに行く場面、瑤泉院(ようぜんいん)をいとまごいに訪ねる場面などがあって、忠臣蔵ファンなら一度は見ておきたい絵柄ばかり。
襖や天井など、背景描写も見事ですよね。縁のあしらいなどには、西洋を感じて、絶妙な作品ともいえる製品です。
展示した製品は、「百田商店」「高坂竹次郎」「日光商會」「クーン&コモン商会」と4社のもの。会社ごとの展示や、場面に沿った展示もあるので、会社に場面ごとよる描き方の違いなども楽しめるのでは。
「会社ごとに絵付師を雇っていて、絵付けの方法が違うので、そんな違いも楽しんでほしいですね」と桃井さん。
当時の欧米諸国ではコーヒーを飲む文化が浸透し、明治中期から後期にかけては卵の殻のように軽い「エッグシェル」と呼ばれる薄い器の需要が多く、緻密な絵付けが施されたカップ&ソーサーが輸出の主流となっていました。
展示の一角では、そんな「エッグシェル」を実感できるコーナーがあって、実際にカップやソーサーに触れることができるんです。想像以上の軽さに驚くはずです。
「赤穂の史実が、外国の人たちに日本人の気質として受け入れられていた時代背景も含めて、赤穂義士祭の時には、当館にも回っていただき、見てほしいですね」と桃井さん。忠臣蔵ファン必見の展示会です。
桃井ミュージアム
住所:兵庫県赤穂市御崎634
電話番号:0791-56-9933
営業時間:9:00~16:00
休館日:火曜(祝日の場合は翌日)
入館料:館内で使える500円の金券を購入
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