不安神経症を発症する「原因」と「状態」は?なりやすい「性格」についても解説
こんにちは、精神科医しょうです。
何事においても不安や心配のタネは尽きないものですが、通常は四六時中、心配でたまらないということは、あまりないかと思います。
ところが、不安神経症を患うと、どのような状況下においても不安がつきまといます。
「重い病気にかかったらどうしよう」「仕事で大きなミスをするのではないか」「お金がなくなったらどうすればいいのだろう」など、心配のタネはさまざまです。
自分が心配しても仕方のないことだと分かってはいるものの、気持ちや思考が切り替えられず、不安を拭い去ることができません。
次々と心配事が出てきて、健康や家庭、仕事、学業などに支障をきたしてしまうことがあります。
パニック発作のような強い発作はないものの、不安感が持続するのが特徴的な病です。
不安神経症の原因は?
不安神経症の発症原因ははっきりとはしておらず、環境、性格、遺伝など複合的な要因で発症すると考えられています。
不安神経症だけで発病することはあまりないと言われており、他の不安症やうつ病を併発しやすいとされています。
また、不安な気持ちをアルコールで紛らわせるなどしていると、アルコール依存などにつながる恐れもあるため、早期の治療が必要だと言えます。
しかし、本人には自分が病気であるという認識が薄いこともあり、医療機関を受診しないケースが多く見受けられます。
不安神経症とはどんな状態をいうのか?
「不安」は自分にとってなじみの少ない環境で、ケガや危険を避けようとする本能に基づくごく当たり前の健康的な反応です。
しかし、この不安が大きくなり過ぎたり、繰り返し現れたりして日常生活に支障をきたすようになってくると「神経質な不安」「病的な不安」ということになるでしょう。
では、不安神経症を患うとどのような状態になるのでしょうか?
・手につかなくなる
不安感にさいなまれ、集中することができなくなり、家事や仕事、勉強などが手につかなくなります。
些細なミスをする度に、より一層不安感が増し、負のスパイラルに陥ることに…。
・疲れやすくなる
常に不安感や緊張感を感じていると、リラックスすることが少なくなり身体が疲労を感じやすくなります。
また、負の感情を抱き続けていると、眠りが浅くなったり、眠れなくなったりすることもあるため、身体に様々な不調が表れることも…。
・イライラする
神経質になったり、気が張ったりしていると、些細なことでイライラしてしまうことが多くなります。
また、感情のコントロールが難しくなることもあるため、周囲との関係性も悪化してしまうことがあります。
不安神経症を引き起こす「性格」は?
不安神経症はある一定の性格傾向や体質、環境を持つ人に多いことがうかがえます。
なかでも性格は、不安神経症の中心的な症状である不安を引き起こす最も重要な要因だとされています。
不安神経症に悩む方々は、男女問わず頑張り屋さんであることが多くあります。
また、彼らの多くは「完璧主義」で「ねばならない」と強く思い込みがちであり、負けず嫌い、がんこなどの性格の持ち主であるとも言えます。
なぜなら、不安神経症を患う多くの方は子どもの頃から、「人に認められたい」「良い子と思われたい」という欲求を強く持って生きてきたことがうかがえるからです。
そのため、親や上司など目上の人の価値観を受け入れながら行動することが多く、常に自分が置かれた環境に最大限適応しようとします。
努力が実っている内は良いのですが、失敗したり成果が思い通りに実らなかったりすると、自分を支えていた世界が足元から崩れていくような不安感におそわれます。
また、このような人たちの場合は、環境との間に欲求不満や葛藤が生まれやすいため「満足できない」「こんなはずじゃなかったのに」といった思いが不安を呼び起こすことが多いと言えます。
不安神経症と診断される前に「不安」の対処を
「緊張しやすい」「物事を深く考えやすい」「先読みしやすい」など、不安神経症を患いやすい人にはいくつかの傾向があるかと思います。
それらの傾向を知り、今自分が抱えている不安(今の気分)に気づくことが大切になります。
まずは以下の手順で日ごろの不安を全て書き出すことから始めてみましょう。
今どんなことに不安を感じるか?
その中で最も不安に思っていることは何か?
なぜ、その不安を感じていると思うか?(不安の理由)
「不安の理由」を反対の意味に反転させると?
たとえば、「悪い評価を得たくない」を反転させると「良い評価を得たい」になります。
「良い評価を得たい」というのが本来の願望ということになり、あなたにとっての目的ということになります。
書き出してみると、本当はとても前向きな願望を持っているということに、気づかされるかもしれません。
まとめ
不安神経症は、何か明確なきっかけがあって発症するというよりも、性格的に神経質で心配性の人が、気づかない内になっていることが多い病気です。
まずは自身の気質や性格の傾向を知り、なりやすい傾向がある場合は、自分に合った方法でリラックスしたり、発散したりするなどの対処が必要になります。
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