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源泉かけ流しは当たり前!「ひとり旅でも泊まりやすい関東の温泉地」5選

高橋一喜温泉ライター/編集者

ひと昔前に比べて、ひとり旅はだいぶ市民権を得たといえる。実際、多くの人が気軽にひとり旅を楽しみ、ソロ客でも宿泊できる宿も増えてきている。

それでも温泉地によって地域差は存在する。つまり、ひとり客でも泊まりやすい温泉地とそうではない温泉地がある。実際、「ひとりだと居心地が悪い…」「ひとりで泊まれる宿が少なく、料金が高い…」といった経験をした人もいるかもしれない。

ひとり客が泊まりやすい温泉地の特徴は3つ。

・有名観光地ではなく、ひなびた穴場の温泉地

・旅館やホテル、湯治宿、民宿などさまざまなタイプの宿泊施設が混在する

・湯治文化が残る昔ながらの温泉地

そこで、今回はひとり旅でも泊まりやすい温泉地を関東地方に絞って5か所紹介したい。

老神温泉(群馬県)

片品渓谷や吹割の滝などの観光名所からも近い、豊かな自然が魅力の温泉地だ。大小十数軒の宿が並ぶ。有名温泉地が揃う群馬県の中にあって少し存在感は薄いが、かえってひとり客には好ましい静かな環境が魅力だ。硫黄成分を含んだ源泉は本格派。かけ流しの湯船を提供する宿も多く、それぞれ源泉が微妙に異なるため、その違いを入り比べるのも楽しい。なお、老神温泉には「蛇」による開湯伝説が残る。巳年の2025年に訪ねてみたい温泉地だ。

板室温泉(栃木県)

湯治場として栄えてきた温泉地。那須塩原エリアには観光客にも人気の温泉地も多いが、板室温泉はそこまで知名度は高くないため静かな時間が流れている。市営の日帰り施設以外は基本的に源泉かけ流しで、肌触りのやさしい透明湯が自慢だ。温泉と自然以外何もないような環境だが、都会の喧騒を離れ、ひとりの時間を大切にしたい人にはおすすめ。ひとり客も受け入れてくれる小規模な宿が多い。

那須湯本温泉(栃木県)

歴史ある那須湯本温泉を中心に「那須八湯」と呼ばれる温泉が点在する。小さな民宿から高級旅館までバリエーション豊かな温泉郷である。ひなびた雰囲気が好きな人は、小さな宿が並ぶ那須湯本温泉を拠点に、日帰り温泉「鹿の湯」や共同浴場に通うのがおすすめ。そのほとんどが源泉かけ流しで、昔ながらの湯治の気分を味わえる。家族経営の小さな宿も多く、ひとり客でも宿泊しやすい。

湯宿温泉(群馬県)

新潟との県境の三国峠の手前にある小さな温泉地。歓楽要素は何もなく、共同浴場や湯治宿が並ぶ静かな温泉地で、「寂れている」と受け取る人もいるかもしれないが、「鄙びている」と受け取るほうが正解。熱狂的なファンをもつ漫画家・つげ義春による『ゲンセンカン主人』の舞台となった温泉地でもある。ただただ湯の街の情緒を味わい、温泉につかる…そんな温泉中心のひとり旅におすすめ。ひとり旅歓迎の宿「金田屋」など、ソロ客にもやさしい宿が多い。

沢渡温泉(群馬県)

強酸性の草津温泉と比べて、マイルドな泉質のため「草津の仕上げ湯」と呼ばれる。坂道に小さな旅館が並ぶ沢渡温泉は、観光客でにぎわう草津に比べて地味に映るが、その分、ゆっくりと一人静かな時間を過ごしたい人には向いている。鮮度抜群の「沢渡温泉共同浴場」のほか、浴室が芸術的な美しさを誇る「まるほん旅館」など温泉好きに愛される温泉地。もともと湯治向けの温泉地なので、一人客の利用も多い。

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温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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