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ラーズ・ヌートバーに強力ライバル現る!20歳の196cm招待選手が開幕メジャー入り&先発外野手を狙う

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
オープン戦で目覚ましい活躍を続けているジョーダン・ウォーカー選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【カージナルスに突如出現した弱冠20歳の超新星外野手】

 侍ジャパン史上初めての外国生まれ選手として、日本ですっかり認知されたラーズ・ヌートバー選手だが、チーム合流後は「たっちゃん」の愛称で慕われるなど、すっかり人気者になっているようだ。

 また侍ジャパン入りが正式発表されて以降、メディアが彼の生い立ちや性格を紹介するたびに日本人の心を鷲掴みにしており、今後は多くの日本人ファンがヌートバー選手を応援することになりそうだ。

 そんなヌートバー選手はレギュラー外野手として今シーズンのブレイクが期待されている若手有望選手だが、カージナルスを離脱している間に彼を脅かすような超新星外野手が出現しているのをご存知だろうか。

 現在招待選手としてメジャーキャンプに参加している、弱冠20歳のジョーダン・ウォーカー選手だ。ここまでオープン戦で大活躍を続け、今では2001年のアルバート・プホルス選手の再来と注目を集めている。

【ここまで7試合に出場し打率4割超えで3本塁打と爆発】

 2020年にカージナルスからドラフト1巡目指名を受けたウォーカー選手は、今年2月に発表されたMLBの若手有望選手トップ100でも第4位でランクインしているほどの逸材だ。

 196センチの長身を生かした長打力が魅力の選手で、昨年もプロ2年目ながら招待選手としてメジャーキャンプに招集され、オープン戦に2試合出場している球界屈指の若手有望選手だ。

 本来なら今年もメジャーキャンプで経験を積ませることがチームの育成プランだったと考えられるが、ここまで7試合に出場し、打率.429、3本塁打、6打点、OPS1.429と目覚ましい活躍を続けている。

 特に圧巻だったのが、3月4日に行われたナショナルズ戦だ。「2番・左翼」で先発出場し、4打数4安打、2本塁打、3打点の固め打ちで首脳陣を喜ばせている。

【2001年のアルバート・プホルス選手の再来と高い関心】

 実はプロ入り直後のウォーカー選手は元々内野手登録で、マイナーリーグでも三塁を任されていた。それが昨シーズン途中で外野手にコンバートされ、主に右翼を中心に試合出場していた。

 そのため現在は「右翼手」として登録されており、ヌートバー選手と丸かぶりになっている状況だ。

 すでにMLB公式サイトでは、2001年にプロ2年目ながらオープン戦で大活躍を続け、21歳で開幕メジャー入りを果たし、新人王のタイトルと獲得しているアルバート・プホルス選手の再来ではないかと、大きな関心を寄せている。

 また同じくMLB公式サイトに掲載されている開幕予想ロースターでも、ヌートバー選手ではなくウォーカー選手を先発外野手に予想しているほどだ。

 ちなみに好守で知られるヌートバー選手は先発DHに加えられ、ウォーカー選手を右翼もしくは左翼に固定し、タイラー・オニール選手、ディラン・カールソン選手、ヌートバー選手の3人が中堅で併用されると予想している。

【ヌートバー選手の離脱で十分なオープン戦出場機会を確保】

 現時点でカージナルスは、ウォーカー選手の開幕メジャー入りを正式発表しているわけではないし、今後もオープン戦でアピールしていくことが求められるだろう。だが彼にとって幸運なのは、当面の間オープン戦で十分な出場機会を得られる環境にいるということだ。

 ヌートバー選手だけでなく、オニール選手もカナダ代表としてWBC出場が決まっており、2人の外野手が離脱している間は、ウォーカー選手がオープン戦で起用される公算が強いためだ。

 「もちろんセントルイス(メジャー昇格)のことを考えてないといえば嘘になる。それが自分の夢だし、これからも一生懸命練習していく。ただ自分としては時が来れば、必ずそこにいけると感じている」

 MLB公式サイトに掲載されているインタビュー動画で、力強い発言をしているウォーカー選手。ヌートバー選手がWBCを戦い終えカージナルスに戻った時、彼はどんな立場になっているのか気になるところだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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