AI連携しやすい絶妙なマイク!GODOXのMagic XT1は15,000円で驚きのスペック
こんにちは、テックジャーナリストで兼業主夫のヒデです。
ワイヤレスマイクがこの価格で手に入る時代になったのには驚きです。しかもこのMagic XT1は受信機で送信機の充電ができるという新発想。コンパクトに持ち運べてビデオグラファー以外にも大きな恩恵を与えてくれます。
とにかくコンパクト、とにかく長時間
これまでのワイヤレスマイクは基本的にケースで充電する方式でした。もちろんケースに入れたまま充電しておいて持っていける利点はありますが、ウインドスクリーンやクリップなどオプション品は別で持っていく必要があります。
一方このMagic XT1は受信機が送信機の充電器も兼ねているので、アクセサリーを含め非常にコンパクトに持ち運べるのが特徴です。
受信機のバッテリーを送信機に分けるのですから、その分収録時間が短くなるのでは?と心配される方もいるのではないかと思います。しかしその点もMagic XT1なら心配ありません。
私自身も何度も使ってみましたが、1日中収録していてもバッテリー切れを起こすことはありませんでした。動画クリエイターとして使っている私でこの状況なので、一般的に使用するなら全く問題ないでしょう。
この価格で機能性も侮れない
これまで正直GODOXというと安めでそこそこのクオリティ、というイメージでした。しかしここ最近のGODOX製品は驚異的な進化を遂げています。
このMagic XT1も日本円で約15,000円と低価格ながらしっかりとターゲットを見定めて必要な機能を十分に盛り込んで来ています。
プロでも満足して使える仕様になっているのが非常に好印象でしたが、機能性をしっかり理解して使うことが重要です。
なんとなく使ってしまうと性能が十分に引き出せないので、ポイントを押さえて紹介したいと思います。
音質は48kHz、24bit、状況によって的確な設定に
48kHz/24bitはもちろん通常収録には問題のない高音質です。しかし最近流行ってきている32bit Float録音はできません。ここはまず知っておいてください。
※32bit Float録音では、音量が大きすぎても小さすぎても後から編集で音源を綺麗に復旧できるという利点があります。
ただし、このデメリットをMagic XT1は機能性でしっかりと補ってきています。
Magic XT1では音声収録の方式がモノラル、ステレオ、セーフティと3つあり、状況に応じてこれを選ぶことで32bit Floatを使わなくとも、録音に失敗しない作りになっているんです。
モノラルモードではA、B二つのマイクの信号が1つとして記録されます。このため、議事録やインタビューの文字起こしにはこれが最適です。
ステレオモードではAが左チャンネル、Bが右チャンネルといった具合で分けて収録されます。動画クリエイターなどで、どちらかの音声に一部エフェクトをかけたかったり、それぞれの音量を調整したい時にはこれが良いでしょう。
セーフティモードではAの左チャンネルには設定した音量より-6dB小さい音が録音され、Bの右チャンネルには設定した音量がそのまま録音されます。突然大きな音が入ってしまうような懸念がある場合はこれを選んでおくと後からリカバーできます。
通常はモノラルモードでの運用で良いと思いますが、これらのモードを理解していないと録音に失敗する可能性があるので押さえておきたいところです。
ノイズリダクション内蔵で、カフェなどでの打ち合わせも議事録にしやすい
これも痒い所に手が届く機能でしょう。私の知る限り、ワイヤレスマイクでDNR(デジタルノイズリダクション)機能を内蔵しているものはありません。
しかもマイク側のボタンを押すだけで通常録音とノイズリダクションが切り替わります。(グリーンライトの時は通常、オレンジライトの時はノイズリダクションオン)
その上ローカットフィルターも搭載しているので、騒がしい店内や屋外でインタビューした時にも言葉がはっきりと収録できます。これをAIなどに読み込ませて文字起こしすれば、iPhoneなどで録音した場合よりも正確性が大きく向上するので便利です。
マイクジャックがなくても直接パソコンに録音できる
これもかなり大きな強みです。Magic XT1は受信機内部にUAC(USB Audio Class)機能を搭載しているので、受信機とパソコンをUSBケーブルで接続するだけでワイヤレスマイクの音声をそのままパソコンに取り込めます。
文字起こしをする際、直接パソコンに録音できるとすぐにAIに取り込めて非常に便利なのでこの機能も非常にいいと感じました。
内部録音機能が無いけど、この価格なら買い
唯一弱点を挙げるとすれば内部記録機能がないことです。最近のマイクは内部に複数のファイルを持つことで失敗を防いだり、後から加工できたりという方向性になっていますが、私個人としてはこのMagic XT1の仕様は潔いと好印象でした。
なぜならストレージ内蔵、もしくはmicroSDカードを使うようなマイクだと、都度ストレージの確認や消去をしないとファイル管理が煩雑になります。
一方でMagic XT1は基本的に動画と一緒に収録されるか、単体でパソコンに収録されるだけなので管理がしやすい。
また、動画クリエイター以外にもメリットがあることが素晴らしいと思いました。
もちろん6名程度の会議だと、2つのマイクを3名ずつに向けるようになるので使いづらいところはあると思います。しかしこの価格でここまでのスペックを厳然して入れてきたのは凄いなと感心しました。
ビジネスマンも1つ持っておくと今後文字起こしの効率がぐんと上がると思うので検討してみるのはいかがでしょうか。