国債の「60年償還ルール」はどうなったか。やめれば財源になると言っていたが、結局は竜頭蛇尾!?
今年の「骨太方針2023」が、6月16日に閣議決定された。その前となる6月9日に首相官邸で、自民党の防衛関係費の財源検討に関する特命委員会から「提言」が、岸田文雄首相に手渡された。
同特命委員会は、文字通り、防衛財源の検討を今年の年頭から重ねてきた。そして取りまとめられたのが、この「提言」(PDFファイル)だった。
同特命委員会では、防衛財源として、国債の「60年償還ルール」をやめて捻出できる、という意見が出ていた。「60年償還ルール」をやめれば、国債償還費を捻出する必要がなくなるため、それを防衛費増額の財源に流用すれば、防衛増税をしなくて済むということらしい。
国債の「60年償還ルール」については、拙稿「2022年度予算案、過去最大規模になったワケ。『財政出動』のカラクリに迫る」で解説している。
では、「60年償還ルール」は、結局どうなったのか。この「提言」には、次のように記されている。
「60年償還ルール」をやめても新たな財源が生まれるわけではない、との理解共有を明言したのである。この「提言」では、「60年償還ルール」をやめて防衛財源に回すという考えは示されなかった。
穏当な結論である。
ただ、上記の文言の後には、次のように記されている。それは、
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