Yahoo!ニュース

【KHL】史上最高のファイナルを制しスカ サンクトペテルブルグが優勝! KHLは三強時代へ!!

加藤じろうフリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家
スカサンクトペテルブルグのキャプテン イリヤ・コバルチャク(写真:ロイター/アフロ)

ロシアをはじめ8か国から29チームが参加するヨーロッパ随一のビッグリーグ・KHL(コンチネンタルホッケーリーグ)は、昨夜(現地時間)のファイナル第5戦で勝利し、対戦成績を4勝1敗としたスカ サンクトペテルブルグが、2季ぶり2度目のチャンピオンに輝きました!

▼史上最高のファイナル

今季のチャンピオンを決める頂上決戦は、戦前に「史上最高のファイナル」と形容されたほど、例年に増して注目度の高いマッチアップとなりました。

もっとも、それもそのはずで、イースタン カンファレンスを勝ち上がったのは、3季前と昨季のプレーオフを制してチャンピオンに輝いたメタルーグ マグニトゴルスク

対して、ウエスタンの戦いを制したのは、一昨季の覇者 サンクトペテルブルグ と、優勝経験者が揃う実力派チームの激突となったからです。

▼史上最長の戦い

勝負の分かれ目となったのは、1勝1敗で迎えた第3戦

舞台をサンクトペテルブルグへ移して行われた試合は、2ndオーバータイムまでもつれ、王座を争うファイナルでは史上最長の戦いに!

92分45秒(=試合の実時間)に及ぶ戦いを制したサンクトペテルブルグが、一気にシリーズの流れを引き寄せ、続く第4戦、第5戦にも勝利して、ガガーリンカップ(KHLの優勝トロフィー)を勝ち取りました。

▼NHLの元得点王が活躍

サンクトペテルブルグは、NHLのデトロイト レッドウィングスで活躍し、ソチオリンピックでロシア代表のキャプテンを務めたパベル・ダツックをケガで欠きながら、NHLで得点王にも輝いたイリヤ・コバルチャクがチームを牽引。

2度目のプレーオフMVP受賞とはならなかったものの、優勝を決めた試合でゲームウイニングゴールを記録するなど、ダツック不在の穴を埋めて余りある働きを披露し、ファンの声援に応えました。

▼三強時代へ

前述のとおり、サンクトペテルブルグは、一昨季に続いて2度目の優勝を飾りましたが、近年のチャンピオンチームを振り返ると、今季のファイナルで敗れたマグニトゴルスクも、2度(2014年、2016年)優勝。

またセカンドラウンドで、航空機事故によって、選手、コーチ、チームスタッフ37名全員が亡くなる悲劇を乗り越え、チームを再興したロコモーティブ ヤロスラブリと対戦し、2勝4敗で敗れたものの、レギュラーシーズンで3季続けて全体1位の成績を残したチェスカ モスクワの実力は突出しています。

このように、KHLは「三強時代」を迎えた模様です。

筆者より~読者の方よりご指摘をいただき、一部表記を修正しました。

フリーランススポーツアナウンサー、ライター、放送作家

アイスホッケーをメインに、野球、バスケットボールなど、国内外のスポーツ20競技以上の実況を、20年以上にわたって務めるフリーランスアナウンサー。なかでもアイスホッケーやパラアイスホッケー(アイススレッジホッケー)では、公式大会のオフィシャルアナウンサーも担当。また、NHL全チームのホームゲームに足を運んで、取材をした経歴を誇る。ライターとしても、1998年から日本リーグ、アジアリーグの公式プログラムに寄稿するなど、アイスホッケーの魅力を伝え続ける。人呼んで、氷上の格闘技の「語りべ」 

加藤じろうの最近の記事