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政府が検討する野球版toto、ギャンブルには必勝法がある!

小中翔太スポーツライター/算数好きの野球少年

中々興味深いニュースだった。

政府は、新国立競技場の事業費捻出のためプロ野球でもスポーツ振興くじ・totoの導入を検討しているという。賛否両論あったもののプロ野球16球団構想を描くなど政府は野球界にも注目しているようだ。

totoとは、誰もが身近にスポーツを楽しめる環境整備や国際競技力を向上させるスポーツ振興政策を実施するための財源確保手段として導入されたスポーツ振興くじである。主にJリーグの試合が対象となっており、大きくは勝敗をコンピューターが自動で選ぶBIGと自分で予想するtotoがある。toto売り場の他にもコンビニやインターネットで購入が可能。還元率は50%で残りは経費やスポーツ振興事業費に充てられる。

確率論から見たギャンブル必勝法

野球でtotoを実施するとなると勝敗は先発投手によって大きく左右される、雨天中止のリスクがあるなどサッカーとは大きな違いもあるが16球団構想に比べれば実現可能性は高いだろう。

totoに限らずだが、ギャンブルには必勝法がある。例えば当たる確率が1/2で倍率が2倍の場合、何回外れても賭け金の2倍を賭け続けていけば当たった時点で最初の賭け金分の利益が発生する。

〈1回目で当たった場合〉

賭け金・・・1万円

当せん金・・2万円

利益・・・1万円

外れた場合は次に1万円×2で2万円賭ける。

〈2回目で当たった場合〉

賭け金・・・2万円

当せん金・・4万円

利益・・・1万円(当せん金である4万円から1回目と2回目の賭け金の合計である3万円を引いた金額)

外れた場合は次に2万円×2で4万円賭ける。

〈3回目で当たった場合〉

賭け金・・・4万円

当せん金・・8万円

利益・・・1万円(当せん金である8万円から1回目と2回目と3回目の賭け金の合計である7万円を引いた金額)

外れた場合は次に4万円×2で8万円賭ける。

資金が無限にあれば当たる確率が有限である以上、これを繰り返していけばいつか必ず当たり、最初の賭け金分の利益が発生する。

外れる度に2倍を賭けるという方法を繰り返した場合、倍率が3倍なら何回目で当たろうとも2(n乗−1)+1万円が利益となる。例・・・5回目で当たった場合、5−1で4だから2×2×2×2+1の17万円が利益。倍率が4倍なら2n乗+1万円が利益、倍率が5倍ならn×3+1万円が利益となる。

もちろん倍率は一定ではないから、当せんしても倍率の低い場合には一時的に損失が発生することもあるが、長期的に見れば外れ、外れ、外れ・・・となっている時にtotoが急に打ち切りにでもならない限り負けることは無い。

資金が無限にあるならば、という前提条件をクリアせねばならないが。

一般人にはそれほど恩恵は無いが金持ちは益々金持ちになった、という声も聞かれたアベノミクス、その波が野球界にも押し寄せようとしている。

スポーツライター/算数好きの野球少年

1988年1月19日大阪府生まれ、京都府宮津市育ち。大学野球連盟の学生委員や独立リーグのインターン、女子プロ野球の記録員を経験。野球専門誌「Baseball Times」にて阪神タイガースを担当し、スポーツナビや高校野球ドットコムにも寄稿する。セイバーメトリクスに興味津々。

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