ドラフトで指名された最も珍しい名字の選手は誰か
10月26日にプロ野球のドラフト会議が開催され、本指名72人、育成指名50人の計122人が指名された。
これらの選手の実力や、ドラフト指名としての成功不成功についてはそれぞれの専門家が論考しているので、ここでは指名された選手の中で最も珍しい名字は誰かを調べてみた。
なお、本稿では新旧字体のみの違いは同じ名字とする一方、読み方が違う場合は清濁の違いを除いて別名字としている。
本指名を受けた選手
まずは、本指名を受けた選手たちの名字。
指名された72人のうち、カタカナ名字のワォーターズ璃海ジュミル選手(楽天4巡目)を除く71人についてみてみよう。
筆者は、全国ランキングで5000位以内を普通の名字、1万位以下を珍しい名字とし、2万位以下をかなり珍しい名字と考えている。ここでは2万位以下の名字についてみてみたい、といいたいところだか、今年は本指名の選手に2万位以下の名字の選手は一人もいなかった。ドラフトでは全国各地の選手が指名されるため、毎年かなり珍しい名字の選手が入っているものだが、今年は一人もいない。
それどころか、1万位以下の「珍しい」名字も、広島1巡目の常広羽也斗選手(青山学院大)のみ。旧字体を使用した「常廣」と合わせて13000位前後の名字で、西日本各地に点々と分布している。比較的福井県、広島県、大分県に多く、常広選手は大分県の出身。
「常広」に次いで少ないのがオリックス3巡目東松快征選手の「東松(とうまつ)」、巨人5巡目又木鉄平選手の「又木」、楽天3巡目日当直喜選手の「日当(ひなた)」の3人で、いずれも9000位台である。「日当(ひなた)」は岩手県がルーツの読み方で、熊本県では「ひあたり」と読む。「ひあたり」だと1万位以下である。
なお、一見かなり少なそうに見える日本ハム4巡目明瀬諒介選手の「明瀬(みょうせ)」は7000位台で、熊本県の天草市にかなりの数が集中してみられる(明瀬選手は大阪府の出身)。
育成指名まで広げると
では、育成指名選手まで範囲を広げるとどうだろうか。
育成で指名された50人のうち、カタカナ名字の西武育成1巡目シンクレア・ジョセフ・孝ノ助選手を除く49人の中で最も珍しいのは、ソフトバンク育成8巡目指名の長水啓真選手の「長水」。北海道から広島県にかけて点々と分布しており、福島県と奈良県にやや多い。しかし、2万位以下の「かなり珍しい名字」にあてはまるのはこの長水選手だけ。
育成選手にも1万位以下の選手は他におらず、本指名・育成指名合わせても、1万位以下の「珍しい名字」が2人、うち2万位以下の「かなり珍しい」は1人である。ロッテ育成3巡目の高野光海選手の名字は「たかの」ではなく「こうの」と読むのだが、北関東や広島県には意外と多く、3000位以内のメジャーな名字の範疇にはいる。
「岡植」「小孫」「山浅」という3万位以下のごくレアな名字を筆頭に、多くの珍しい名字の選手がいた昨年とはうってかわった結果になった。