【南アルプス市】地域の方々に守り受け継がれる伝統〜沢登六角堂の切子祭り〜
以前、ふるさと文化伝承館の記事でご紹介しました「沢登六角堂の切子」ですが、去る10月13日(日)に「六角堂切子祭り」が開催されましたのでご紹介します(過去記事)
六角堂には駐車場が無いので、当日は沢登地区の公会堂に車を停めて行きました。
本当は暗くなってからの時間帯が雰囲気あって良いのですが、都合で早めの時間にお邪魔しました。
聖徳太子信仰を伝える六角堂建築。堂内には聖徳太子像と太子が信仰した如意輪観音が祀られているとのこと。江戸後期の数少ない六角堂形式の建造物として貴重なものだそう。市指定文化財(建造物)として登録されていますが、保存修復の必要性もあって寄付金を募る活動も始まるようです。
こちらが六角堂の正面に奉納展示された切子達。切子とは、美濃和紙10〜15枚の上に図柄の書かれた上紙を重ねて、「つきのみ」と言う刃物を用いて切り出していく切り紙細工のこと。300年以上の歴史があり、代々地域の人達によって伝え守られてきた芸術です。山梨県無形民俗文化財に指定されています。
多くの切子が精細で素晴らしいのは間違い無いのですが、筆者的には右の作品の六角模様に重なる文字の精緻さにとても驚き感動しました。これで一枚の紙なのですから凄いです。
地域の小学生から高校生の作品も奉納展示されていました。子供のうちからこの集中力を必要とする作業ができるなんて!
奉納された切子は、お祭りが終わると地区の各戸に配布されてお守りとされるそうです。一から十まで地域で伝え守られている行事。昭和50年に区が発起人となって「切子保存会」が発足してから伝統の文化と技術を継承してきているとのこと。切子の技術の凄さは勿論ですが、地域の方が主体になって伝統を残そうと活動されていることも凄いことです。若い子達に切子の文化や技術が伝えられて、六角堂と共に末長く存続されることを願います。
今年のお祭りは終わってしまいましたが、来年もまた同じ日に開催されることを願い楽しみにしていましょう。