お花見自粛ムードのワシントンDC、史上3番目の早さで満開に
22日(日)、東京の桜は満開を迎えました。新型コロナウイルスの影響で、暗い話題が多い中でも、桜は人々の心をパッと明るくさせてくれるようです。今年の満開は、例年より12日早く、観測史上2番目に早い記録となりました。
一方で、明治時代に東京から贈られ、日米交流の象徴ともなっているワシントンDCのソメイヨシノも、21日(土)に満開を迎えました。太陽に照らされてきらきら輝くポトマック川と、その川に沿って並ぶピンク色の桜が、実に見事な光景を作り出しています。
なお、桜の「満開」の定義はアメリカと日本で異なっています。日本は8割の桜が咲いている状態を指しますが、アメリカは7割で1割少ないのです。そのためか、桜の満開の期間はワシントンDCの方が長いようです。
史上3番目に早い満開
ワシントンDCの桜はどれほど早く満開に達したのでしょうか。
ワシントンポストによると、1921年の観測開始以来、史上3番目の早さということです。
例年の満開日の平均は3月31日なので、いつもより11日も早かったことになります。ちなみにこれまでの最早記録は1990年の3月15日で、2番目が2000年の3月17日でした。
暖かすぎる2020年
ワシントンDCの桜が、11日も早く満開を迎えた背景には、今年の記録的な高温があります。
上のグラフは、2020年1月1日から3月22日までの日最高気温の推移を表しています。平均気温を大きく上回るような日が多くあって、1月11日と12日はともに20℃を超え、3月20日には6月下旬並みの28℃まで気温が上昇しました。
新型コロナの影響
早い春の訪れに心が弾みますが、新型コロナウイルスの脅威はワシントンでも広がっており、お花見の自粛要請が出されています。
毎年100万人もの観光客が訪れる恒例の桜祭りも中止となったほか、会場の最寄り駅や通りも閉鎖され、日本よりも厳しいウイルス対策が行われているようです。
メラニア夫人も「オンライン花見」呼び掛け
とはいえ、せっかく満開になった桜です。どうしても見たいという人は多いはずです。
桜を管理するナショナルパークサービスは、今年もウェブカメラで桜のライブ映像を提供しています。さらに特別にバーシャルツアーの動画も配信しているようです。
メラニア大統領夫人も自身のツイッターで、オンラインのお花見を勧めています。
いま日本では、インターネット上で友人の顔を見ながら飲み会をするオンライン飲み会、いわゆる「オン飲み」が増え始めているようです。近いうちに「オン花見」なる言葉も登場するのでしょうか。