待機児童問題の次は病児保育が当たり前な社会を作ることが社会課題となっています。
病児保育とは、風邪や発熱など(保育所では預かることが難しい)軽度の突発的な状況で子どもを預かり、ケアすることです。働く親御さんは、保育所に自分の子どもを託します。しかし、子どもが病気になったとき、保育所は子どもを預ることができないのが現状です。すると、親御さんは仕事を休まざるを得なくなります。そのため病児保育が当たり前な社会を作ることが社会課題となっています。
保育所の数は2012年の23,711園だったものが、従来の保育所に加えて認定子ども園や特定地域型保育事業などの新しい形態の保育園も増えたため2016年には30,859園になっています。一方、2012年に約850施設だった病児保育施設は、2016年には2,226施設にまで増えました。
このように保育所や、病児保育施設はともに増加していますが、保育所に対して病児保育施設のカバー率は7.2%。2012年当時の3%から増加はしているものの、まだまだ不足している現状といえます。待機児童問題解決に向けて、保育所の数が増えていくと同時に病児保育施設の増加も求められているのです。
共働き家庭の増加が続いているため、病児保育に直面している家庭は増加の一途をたどっています。内閣府発表データによると、年間で病児保育事業を利用しているお子さんは延べ61万人。政府はこの利用者数を2020年に延べ150万人まで増加させる目標を掲げています。今後3年間で現状の約2.5倍に近いお子さんが病児保育を利用できる環境を整えていかなければなりません。
病児保育のプロになるための資格「認定病児保育スペシャリスト」とは
日本病児保育協会が認定する日本初の病児保育のプロになるための資格「認定病児保育スペシャリスト」という資格があります。
「認定病児保育スペシャリスト」は、病児保育施設、体調を崩した子を保護者の方が迎えにくるまでお預かりする保育所、病児のお預かりも行うベビーシッター、子育てを終えてその経験を仕事に活かしていきたいとお考えの方、さまざまな場でのみなさんの活躍を支えています。子どもの成長に寄り添うのと同時に社会貢献性も高く、社会に必要とされる注目度の高い仕事です。
実は国家試験である保育士試験でも「病児保育」に関する出題がありました。これから保育士を目指す方には、「病児保育」は保育の一部として、欠かせない知識だと言えます。
もちろん、すでに保育士資格をお持ちでスキルアップを図りたいみなさんにも、認定病児保育スペシャリスト資格取得web講座では、病児保育のスキルと知識を体系的に学んでいたくことができます。
学生のうちからでも病児保育を学べます
病児保育は特別な保育ではなく、「保育の一部である」ということを、学生のうちから知り、進路選択のひとつとしてもらうための「認定病児保育スペシャリスト資格 指定校プラン」があります。日本病児保育協会の定める基準を満たす保育士養成校であれば指定校の指定を受け、認定病児保育スペシャリスト(アカデミック)資格取得web講座が導入できるのです。
未来の保育を担う若い世代に向けても、積極的に「病児保育」を学ぶ機会を提供することによって、病児保育の必要性や知識を知って欲しいと思います。