オークションのミシンってどんなのか気になりませんか?落札して試し縫いしてみました
うさこの洋裁工房は大分市と福岡天神で洋裁教室を実際にやっています。
大分の洋裁教室は各自ミシン持ち込みなのですが、生徒さんがミシンを持っていない場合もあるので貸出ミシンを用意しています。
ただ人数が多いとミシンが足りず順番待ちをしてもらうことがあったので、もう一台ミシンを用意したいなあと思っていました。
お教室を何年もやっていると、まれに貸し出しの洋裁用品を落としたりして破損が起きることがあります。
ですがそれを気にして、お裁縫が嫌になったり、生徒さんが来づらくなって欲しくありません。
そのため、壊れても気にしなくていいよ~と言える値段のものを用意したかったので、今回オークションを利用してみました。
落札したミシン
brother コンピューター ミシン CP9641 当店通常価格23800円
落札金額
1000円+送料1560円
合計2560円!!
この後も一定以上のランクのミシンの落札価格を追っていたのですが、5000~20000円位で落札されていることが多いので、この落札金額はめずらしいと思います。
実際に確認してみた状態の結果
- 自動糸通しが使えない
- ボタンホールレバー破損によりボタンホールが縫えない。
- 付属品のリッパー、説明書がない
- 注油、清掃をしてない
オークションのミシンの注意点
目利きが出来れば、運が良ければ掘り出し物がGET出来るかも、しかし故障している場合もある。
ミシンの故障に出品者が気づいていない場合がある
ミシンは一台で色んなことが出来る工作機械です。
落札前後に何件もの出品や出品者を見比べて見ました。
出品者はミシン専門、リサイクルショップ、個人だいたいこの3パターンです。
ミシン専門の出品者
ミシン専門の出品者のミシンは点検も整備もしてあります。
相場が分かっているのでスタート価格が高めだったり、最終落札額が平均より高くなることが多いです。
保証がついているところもあったので、その信頼分でしょうね。
リサイクルショップと個人出品
落札金額が比較的低いのは、リサイクルショップと個人出品のミシン。
出品者の大半が知識がないので、テストも電源を入れて直線と、ジグザグ縫いをしている程度のものが多かったです。
中には電源を入れる事すらしていないものもありました。
つまり出品している人間が故障、部品の不足に気付いていないケースがあります。
今回のミシンはこのケースですね。
実は今回でオークションで落札したミシンは3台目なのですが、3台中2台故障がありました。
もう一台は動くけど、スピードコントロールの部分が故障して、低速でしか縫えません。
故障していなかったのはミシン専門の出品者のミシンです。
今回のミシンはお教室用なので、ボタンホールが縫えなくても、うちの場合ボタンホールの所だけ別のミシンを使えばいいので問題ありません。
しかし、このミシンをメインのミシンとして使いたいと別の方が落札したとしたら、ボタンホールが出来ずにがっかりすると思います。
また低速でしか縫えないミシンは、慣れてきたら不便以外の何物でもないですよね。
出品者すら故障の有無のチェックができない。
目利きが出来る私ですら故障ミシンを引いたので、目利きできない方にはオークションはおすすめできないなあと思いました。
ボビンのサイズ
ミシンのボビンは金属と、プラスチックがあります。
ボビンケースのいらないミシンは、大半はプラスチックのボビンを使わないと糸調子が狂います。
最近のミシンは11.5mmが多いのですが、年代や機種によって異なる場合があります。
このミシンの適正なボビンの高さは9mmです。
それを知らずに以前使っていたミシンのボビンそのまま使おうとしても、高さが違う場合糸が切れたりしてぬえません。
でも一般の人はボビンが原因なんて分かりませんよね。
まずこの知識がないと、落札したものの使えない!という事になります。
自動糸通し
動画を見て頂くと分かると思いますが、自動糸通しを使っても糸が通りません。
ほとんどの方は直し方が分からないので、一度やって使えなかったら使わずにいるという方も多いと思います。
これも知識がないと気づかずにそのまま出品されます。
自動糸通しの右側の部分に薄くて細いかぎ状の部品があります。
これは薄いので簡単に折れたり曲がったりします。
折れてしまったら交換が必要なのですが、曲がっただけなら、廃棄予定のミシン針などで真ん中にくるように押したりして調整するだけで直ったりします。
↓曲がった自動糸通しの直し方↓
https://creators.yahoo.co.jp/usakonoyousaikoubou/0300146649
故障したミシンを修理に出すには
ミシンを修理してもらおうとミシン屋さんを呼んだら
「これはもう古すぎて直せないから買った方が安いよ」
と言われたという声を聞いた事があります。
ですが修理にかかる工賃は、メーカーさんの普通のミシンなら1回の修理で約3万円を超えることはないそうです。
これはメーカーさんに直接教えて頂いた話なので事実です。
修理料金
ジャノメ https://www7.janome.co.jp/support/repairfee/
ブラザー https://download.brother.com/pub/jp/sewing_support/repair_serv/pay/comparison/fare.pdf
JUKI https://www.juki.co.jp/household_ja/support/repair/index.html
ベビーロック https://www.babylock.co.jp/repair/
※ただし、部品の保有期間が7年位なので、物によっては部品がない場合もあります。
この場合メーカー修理ではなく、部品をたくさん持っている修理店に依頼する必要があったりします。
安く落札したミシン+故障に気付いたがっかり感+修理先を調べる時間+修理に出す梱包等の手間、修理代金+送料を考えたら、中古のミシンを落札するより、新品を買った方が精神的にも楽だと思うのです。
結局どうなのよ
今回のミシンは洋裁教室用のミシンとしては全く問題ないミシンです
しかし他の方が落札した場合、人によっては故障+使いこなせずがっかりするかもしれません。
ミシン専門の出品者以外の出品は、当たりかハズレか出してる本人すら故障があるか分かっていないので、運です。
さらに廉価ミシンと高級ミシン、新しいミシンと古いミシンがごっちゃになって表示されるので、目利きが出来ないと当たりを見つけづらいと思います。
30年前くらいからミシンの形は今風に洗練されているので、パッと見ただけでは古いのか分からないものも多いです。
ミシンは、購入後の使い方の方が大事なので、買った後に使い方を相談できるお店を選ぶのが重要です。
家電というより工作機械と思ってください。
新品のミシンを買った直後に故障した!って言っている人の原因は9割5分使い方間違いです。
(ごくまれに初期不良があったりします)
電話一本購入元にすれば5分で解決したりします。
ミシン屋さんはプロなので症状と前後やった動作を聞けば、だいたい原因は分かるからです。
なのでオークションを利用するなら、ミシンの目利きが出来て、説明書がなくてもミシンの使い方が分かり、多少のトラブルは自分で解決できるレベルでミシンを使いこなせる人で、多少故障しても勉強代と割り切れる人なら、ミシン専門の出品者の商品を狙って探すならいいと思います。
目利きに自信がない方は、ミシン屋さんでコンピューターミシンを買うのをおすすめします。
ミシンに詳しくない人で、洋服を作りたい人は、電動と電子ミシンは扱いの難易度がちょっと高いので除外した方がいいと思います。
電動ミシンの方が簡単だと思っている方いらっしゃいますが逆ですからね!
目利きのヒント
- 横幅40cm越え
- 自動糸切り付き
- 押さえの圧力調整がついていたら機能的に当たり
これが【なぜ当たり】か分からない人は、オークションはまだ早いかもしれません。