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福原愛さんの報道過熱…離婚後すぐの交際や再婚は悪なのか?

植草美幸結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸
(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

■元卓球選手・福原愛さんの近況報道が再過熱

この5月、元卓球選手で五輪メダリストの福原愛さん(33歳)の近況がまた話題を呼んでいます。国民的スターの離婚後の様子が、時系列に更新されるような報道が、国内外の興味関心の的となっているのでしょう。

まず話題になったのが母の日、福原さんが中国最大のSNS「ウェイボー」で子供への思いを長文でつづったこと。離婚以来、2人の子供は元夫と台湾で暮らしていることから、現地メディアでは「17か月も子どもに会っていないのに」との批判する声が上がりました。逆に元夫・江宏傑さんは、子育てパパとして好感度を上げ、現地CMにも起用されているという報道もあります。ちなみに、今年4月の記者会見では、福原さんの熱愛報道について「ニュースを見て、すぐ祝福した」とコメントしています。

また、2021年末に結婚生活を送った台湾セレブ街の高級マンションを売却していたこと、しかも、当初の価格から3000万円以上の赤字だったという内容も今月になって報道されています。いずれも元夫・江さんの地元である台湾メディアの批判的な報道が起因している印象です。福原愛さんや所属事務所は一部報道を否定しましたが、夫の言動や嫁姑関係に問題をかかえていたとも報じられています。もちろん、福原愛さんについての報道がどこまで真実かはわかりませんが、一般的に国際結婚は、日本人同士の結婚よりも離婚率が高い傾向があります。平成29年の「人口動態調査」(厚生労働省)を元にすると、国際結婚した夫婦の離婚率(注1)は54%となります。背景としては文化や価値観の違いがあり、特に、国際結婚で他国で結婚生活を送るとなれば、味方がいない苦しみが生まれやすい状況になります。(注1)その年に離婚した組数を婚姻した組数で割って算出

その後、福原さんは、元商社マンの日本人男性とのデートの現場をスクープされ、今年2月には知人に再婚宣言をしたという報道もありました。

離婚には精神的にも金銭的にも双方に大きな負担がかかることがよくありますから、結婚生活が破綻したところに味方となってくれる人物があらわれることは幸いなことです。

そもそも、離婚後すぐの親密交際や再婚は、著名人であれば不倫か、略奪かとバッシングの対象になりがちですが、婚活現場で様々な恋愛相談を聞く中では、非常によくあるケースです。

■離婚後すぐの親密交際や再婚は「悪」なのか?

ある30代の知人は、お寺の住職と結婚しました。仕事を辞めて同居をし、家事や家業の手伝いを始めますが、義理の母がモラハラ気質で、ほどなく嫁いびりが始まったのです。跡取り問題で男の子を産めと言われ続けましたが、まったく気配がなく、ますます嫁いびりが激化した数年後、「子供が産めない体なら出ていけ」という酷い暴言に耐えかねて、3日分の荷物を持って、家出をしました。

気晴らしにと昔の友達に連絡し、愚痴を聞いてもらおうと連絡をしたそうです。そこで本気で心配してくれたのが元同級生の男性でした。「そんなことをいう人は絶対におかしい。君に対して、失礼すぎる!」と真っ先に言ってくれたのだそう。「そうだ、自分が悪いんじゃない、一般的に見てもおかしいのはあの母親だ!」と気づいて離婚に踏み切れたのだそう。その後、再就職や別居手配などの手伝いをしてくれた彼と付き合うことになり、再婚したらあっというまに子供ができたのだそうです。

のちに彼女に聞いたところ、「彼と話して、心を開いて話せる人っているんだと思った。改めて、自分の結婚生活を振り返って、無理してたし、本当の夫婦じゃなかった。好きで結婚したのに向き合えていなかったと気づいた。ただ生活に追われて、家族として与えられた仕事をやるだけで、人から見たら夫婦だけど、カタチだけだったのかもしれない」と語っていました。

このような経緯を聞くと、それは不倫だ略奪だ、と言い切れないと感じる方も多いでしょう。

実際、もともと恋愛感情はなかったけれど、人として友達として男女関係なく信頼できる間柄になった。それにより、今まで夫と向き合えていなかったことに気づかされた、という構図です。

結婚生活が破綻しているストレスにより、判断力が鈍ってしまったり、モラハラやDVによって洗脳状態になり、共依存となり、「離婚したい気持ちもあるけれど、自分にはできない」「彼にもいいところはある」「嫁姑問題はあるけれど、彼にもいいところはあるし……」などと、踏ん切りがつかず、なかなか離婚できないことがあります。

そういったときに、「君は間違ってない、離婚したほうがいい。方法はいっしょに考えよう」と背中を押されることで、自分自身のことも、過去の結婚生活についても見つめ直すきっかけになります。相手と向き合えていなかった、パートナーシップを築けなかったことを自覚できれば、それは経験値となります。

福原愛さんに関しても、どんな結果であれ結婚を経たことで人間として成長されたことは確かですし、素晴らしい経歴を残したアスリートとして自立し、今後バリバリ働こうと行動する彼女には、ぜひエールを送りたいと思います。

■「その我慢、一生持ちますか?」と自分に問いかけて

どんな結果であれ結婚は経験値だと申し上げていますが、婚活アドバイザーという立場上、自分の娘や息子だと思って婚活会員のみなさんをお預かりしている自負があります。そんな婚活現場から、失敗しないための2つのアドバイスをお伝えします。

まずは、「自分がちょっと我慢すればいい」と目をつぶって結婚を決めるのはやめましょう。結婚生活は50年60年と続きますから、その我慢は一生持ちますか? と問いかけてみてください。運命的な共通点があったり、相手の条件が良かったり、現状を変えたくて今すぐ結婚したいと思っているときこそ、両目を開けて、比較検討が必要な時なのです。

もうひとつは、相手の両親には必ずお会いすること。私の結婚相談所ではほとんどありませんが、両親への挨拶を省いて成婚する方もいらっしゃいます。親御さんが本当に結婚に納得しているか、その言動やマナーを見極めることは、義両親からのモラハラの予防にたいへん役立ちます。ご時世的に会いにくい環境であれば、玄関先への訪問やオンラインでのご挨拶でもかまわないので、ぜひ入籍前に対話の時間を持ち、見極めていただきたいと思います。実際、婚活会員の方で、2名のお相手に迷われ、「好きになったから」と私が勧めた方をお断りし、相手の粗暴な言動への違和感を見逃し、相手の親への挨拶も省略してしまい、結果2年で離婚に至ってしまった例もあります。

見極める前に、憧れの彼がこっちを向いてくれた、好きな人だから……と有頂天になってしまうのは厳禁です。そのためにも、理性を保った婚活の進め方を重視するよう現場でお伝えしています。

結婚相談所代表・恋愛・婚活ジャーナリスト 植草美幸

千葉県出身。青山学院大学卒業。結婚相談所マリーミー代表、恋愛・婚活アドバイザー。1995年に、アパレル業界に特化した人材派遣会社、株式会社エムエスピーを創業。そこで培ったコーディネート力を活かし、2009年、結婚相談所マリーミーをスタート。以後10年以上にわたり年間約1,000組の恋愛・結婚に対するアドバイスを行い、業界平均15%と言われる成婚率において、約80%の成婚率(※)を記録している。『結婚の技術』『婚活リベンジ!』など、著書は計14冊。メディア出演の他、地方自治体をはじめとした講演依頼も多数。(※) 成婚退会者数÷全体退会者数で算出。

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