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まるで春一番のような晩秋の嵐に警戒

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
嵐の首都圏(写真:Yumeto Yamazaki/アフロ)

まるで春一番のような暖湿気が流入

上空の暖気予想(ウェザーマップ)
上空の暖気予想(ウェザーマップ)

きょう12日(土)は全国的に暖かな秋晴れで、絶好の行楽日和となっていますが、あす13日(日)は一転、全国的に晩秋の嵐に警戒が必要です。

上図はあす13日(日)正午の上空1500メートル付近の暖気の予想ですが、低気圧が発達しながら日本海から北海道付近を通過するため、この低気圧に向かって南から季節外れの暖かな空気(暖湿気)が流れ込むでしょう。

西日本に流れ込む暖気は平年より5度以上高く、さらに北日本に流れ込む暖気は平年より10度前後も高いもので、気圧配置はまるで春一番を彷彿させるようなパターンとなります。

この湿った南からの暖気の影響で、北日本を中心に、風や雨が強まる心配があります。

北日本を中心に風や雨が強まる

雨や風の予想(ウェザーマップ)
雨や風の予想(ウェザーマップ)

上図はあす13日(日)正午の雨や風の予想です。

低気圧や前線の通過に伴い、全国的に風が強まりますが、特に低気圧に近い北日本では非常に強い風が吹くおそれがあり、北海道では最大瞬間風速が30メートルに達する所もあるでしょう。北海道や東北の日本海側では暴風警報が出される可能性があります。

また活発な雨雲が西日本を通過し、太平洋側を中心に、雷を伴った激しい雨の降る所があり、大気の状態が不安定となるため、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意が必要です。

関東も荒天に

雨や風の予想(ウェザーマップ)
雨や風の予想(ウェザーマップ)

あす13日(日)午後6時になると、前線に伴う活発な雨雲は東海から関東へ差し掛かり、関東でも沿岸部を中心に雨脚が強まり、強い南風を伴うため、横殴りに降る所もあるでしょう。

低気圧や前線が抜けた地方では南風が北風に変わり、特に北日本では、引き続き暴風となるおそれがあります。

久しぶりのまとまった雨だが、激しい雨に注意

30日間合計降水量の平年比(気象庁より)
30日間合計降水量の平年比(気象庁より)

24時間予想降水量(ウェザーマップ)
24時間予想降水量(ウェザーマップ)

10月半ば以降、目立った雨がなく、過去30日間の雨の合計は、全国的に平年を大きく下回っており、カラカラの状態が続いています。

過去30日間の降水量(平年比)は、仙台3.5ミリ(3%)、東京都心25.5ミリ(16%)、静岡3.0ミリ(2%)、広島1.0ミリ(1%)、松山14.5ミリ(14%)など、ほとんど雨の降っていない所もある状態です。

あす13日(日)はこのカラカラ状態には、まさに恵みの雨となり、黄色やオレンジ色の所では30ミリ前後のまとまった雨が予想されています。東京都心も、18日ぶりに1ミリ以上の雨が降るでしょう。

ただ春一番のような暖湿気の進入で、雨雲が活発化し、大雨となるおそれがありますので、雨の降り方には十分な注意が必要です。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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