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熱帯低気圧と梅雨前線の動向は?週明けは再び線状降水帯の発生も?

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
熱帯低気圧と梅雨前線の雲(ウェザーマップ)

西日本に再び線状降水帯が発生か?

雨雲の予想(ウェザーマップ)
雨雲の予想(ウェザーマップ)

きょうも東北や九州などを中心に所々で激しい雨が降り、青森県や岩手県では、午後5時現在、氾濫危険情報が発表されている河川があります。

また夕方には北海道で局地的に雨雲が発達し、猛烈な雨の降っている所があるため、記録的短時間大雨情報も出されました。

ただ特別警報が何度か出されたような直近の一週間と比べれば、広い範囲での大雨は比較的小康状態だとも言えますが、週明けは再び梅雨前線の活動が非常に活発となるため、危険度が大きく上昇するおそれがあります。

雨雲の予想をみると、13日(月)午後から西日本や東日本の日本海側に活発な雨雲がかかり始め、その後14日(火)に日付が変わる頃から朝にかけて、線状に連なる活発な雨雲が九州や中国地方をゆっくりと南下する予想です。

この線状の雨雲が強化されると、数時間で200ミリ以上の豪雨をもたらすいわゆる線状降水帯に発達するおそれもあるため、今後の情報に十分な注意・警戒をお願いします。

きょう夕方、気象庁から発表された大雨情報によると、14日(火)午後6時までの48時間雨量は、多い所で、九州北部、四国で200ミリ~300ミリ、中国、近畿で150ミリ~250ミリなどとなっており、場合によっては、これらの雨量が数時間で集中的に降るおそれもありそうです。

熱帯低気圧が発生中、今後は台湾方面へ?

天気図の変化(気象庁発表資料に筆者加工)
天気図の変化(気象庁発表資料に筆者加工)

タイトル画像にある通り、現在フィリピンの東の海上で真っ白な積乱雲がまとまっており、このあたりに熱帯低気圧が発生しています。

気象庁の予想によると、今後はあまり発達することなく、西から北西方向へ進み、14日(火)午前9時には台湾のすぐ南の海上へ達する見込みです。

この後の動きは沖縄付近に張り出している太平洋高気圧の勢力次第となりそうです。

太平洋高気圧の勢力次第

太平洋高気圧と熱帯低気圧の予想(ウェザーマップ)
太平洋高気圧と熱帯低気圧の予想(ウェザーマップ)

熱帯低気圧が西進するのは、その北側、沖縄付近に太平洋高気圧が張り出しているためです。このまま太平洋高気圧の勢力が強ければ、熱帯低気圧は台湾の南を西進し、そのまま中国大陸へ進むことになります。

ところが今週なか頃には、台湾付近で高気圧の西側への張り出しがやや弱まる計算となっているため、台湾付近に達した熱帯低気圧は転向し、東シナ海へ進んでくることも考えられる状況です。

今のところ、台風まで発達する予想はありませんが、もし東シナ海へ入ってくれば湿った空気を供給し、梅雨前線を強化させる可能性もあるため、念のため、今後の動きにご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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