20代の財布の中身、年齢×千円は昔の話と成りにけり
金銭面において世代別ではもっとも厳しい立場に置かれている若年層。彼ら・彼女らの財布の中身は、世間一般に言われている「年齢×千円」のレートに届いているのだろうか。SMBCコンシューマーファイナンスが2014年12月に発表した「20代の金銭感覚についての意識調査」の結果から、20代の事情について確認していくことにする。
就業者、あるいは大学生などにおいて、不意の出費にも即時対応できるよう、財布の中には常に自分の年齢×1000円分の現金を納めておくべきとの話がある。分かりやすい形での所持金額に関する習わしのようなものを示したものだが、現状はいかなる状況なのだろうか。普段財布に入れている金額を尋ねたところ、全体平均では8808円との値が出た。
大よそ1万円以下に8割以上が収まっている。普段万札が入っている人は少数派。「年齢×1000円」は、少なくとも今の20代には通用しないようだ。
これを就業状態別に知り切り直したのが次のグラフ。
学生よりも会社員の方が回答率の山は右寄り、つまり所有金額が高め。平均額は学生が6784円、会社員は1万0391円。しかしながら会社員でも2万円超は8.6%でしかなく、上記の「年齢×1000円」は学生が含まれているからではなく、会社員でも同様に少数派であることが分かる。使いやすさを考えれば、平均額の所有スタイルとしては小銭+5000円札と1000円札5枚という組合せが考えられるため、やはり一万円札は普段の財布内には見受けられない状況なのだろう。
所有額が小さいように思えるが、若年層の可処分所得の減少以外に、クレジットカードや電子マネーの存在が少なからぬ関係していると考えると道理は通る。あくまでも財布の中の金額である以上、各種電子マネーはカウントに含まれていない。おサイフケータイなどで使える疑似通貨をそれなりに所有していれば、財布の現金の必要性は低下する。
とはいえ、クレジットカードや電子マネーが使えない場面も多い。やはりお財布には一定額の現金があった方が、安心できるのには違いない。
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