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武雄市の樋渡市長、ユーザーを「ひまじんうんこ」と侮辱。自ら市のガイドライン破る

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
樋渡市長がユーザーを「ひまじんうんこ」と侮辱するガイドライン違反。筆者キャプチャ

スタバ図書館で有名な佐賀県武雄市の樋渡啓祐市長が、市の職員がウイルスに感染していると忠告してくれたユーザーに対して、『Facebook』上で「ひまじんうんこ」と侮辱していることが分かりました。

話の流れとしては、今年9月に市職員の森一也氏が『Gumblar』ウイルスに感染する、もしくはアカウントを乗っ取られるなどして『Twitter』のフォロワーに対してウイルスに感染するページへ誘導するダイレクトメッセージ(DM)を送りつけました。

ICT先進自治体 武雄市の職員からDMでマルウェアのリンクが届いたよ - Togetterまとめ

市職員はウイルス感染を否定するも証拠キャプチャあり

その後、DMを送られたユーザーが「ウイルスに感染しているのではないか」と連絡を取ったところ、森氏はこのことを今月28日になってFacebook内にて「からまれた」とオープン愚痴。

森 一也 - 小職も今年Twitterで絡まれました。 真夜中です。 最初はたしか「なんか送った?」みたいなことではじまりました。...

愚痴では「そのようなDMを送っていません」「その後の調べで、私のTwitterアカウントは踏み台にされていなかったそうです」などと身の潔白を語っていますが、送られた方はDMのキャプチャを残しており、調査を行ったとされる「富士通に勤務する(森氏の)従弟」の技術力が問われるところです。

森氏からDMを送られたと主張する受信者による証拠キャプチャ。
森氏からDMを送られたと主張する受信者による証拠キャプチャ。

Twitter / Rutice_jp: めんどくさいのでDM削除 メモ用に画像で残しておきますね。 ...

市職員「日本人ではないかも」「文章おかしい」発言

そして翌29日。28日の森氏の愚痴を見たユーザーが『Togetter』を利用してメッセージを送ったところ、森氏は再びFacebook上でオープン愚痴。しかもユーザーのプロフィール欄を内容と勘違いして取り上げ、「日本人ではないかも。冒頭から文章がおかしい」と批判しています。

佐賀県武雄市役所所属の森一也(@tko_ka_mori)さんへ - Togetterまとめ

森 一也 - 【やっぱり武雄市のことが気になっているんでしょ!?】 来るだろうな?と思っていたら、やっぱり来ましたね。...

そりゃ、Twitterのプロフィール欄を“相手に送られた文章”として読めば日本語としてはおかしく感じるでしょう。というか「日本人じゃないかも」とか公務員としてその発言、大丈夫ですか?

ガイドライン「相手が誰であろうとも不敬な言い方、発言をしてはならない」

そして、このユーザーに対してなんと武雄市の代表であるはずの樋渡市長が「ひまじんうんこ」と侮辱しているのです。本来なら市職員がウイルスに感染して二次配布先になっているかもしれないと忠告してくれたありがたい人のはずなのに、「ひまじんうんこ」呼ばわりです。

この「ひまじんうんこ」発言は、武雄市の“情報発信に関するガイドライン”に明確に違反していると個人ブログでも取り上げられています。

3.情報発信にあたっての基本原則。(2)具体的な「してはならない」事例。1.相手が誰であろうとも、不敬な(相手を馬鹿にしたり、悪口など)言い方、発言

出典:武雄市における情報発信に関するガイドライン

佐賀県武雄市の情報発信に関するガイドラインの不思議 | 脳無しの呟き《土鍋と麦酒と炬燵猫》

武雄市の情報発信ガイドラインは一体どうなっているのでしょうか。「一方的な意見が偏って寄せられる場合もあります。この場合も、冷静に、誠実に対応するようにお願いします」とあるのに、職員の見本となるべき市長が率先して違反しています。

樋渡市長についてはネットウォッチャーとして“痛い人”だなぁと遠巻きに見ているだけでしたが、さすがに市長の立場で「ひまじんうんこ」はないと思い、今回筆を執りました。

SNSはクローズドなサービスじゃない

先日の記事でもネット炎上事件をとりあげましたが、SNSはクローズドなサービスではありません。オフラインであれば怒られておしまいという事件でも、ネットに晒せば大事件へと燃え上がります。

2013年のインターネットはまさに『Twitter』炎上の年だった(篠原 修司) - 個人 - Yahoo!ニュース

それが樋渡市長、なんですかアナタは。「ひまじんうんこ」て。気になって調べてみたら市職員の方々もFacebookで「おいおいそんなこと言っていいのか」という内容をオープンで書き込んでるじゃないですか。

人を「キチ〇イ」呼ばわりする発言に「いいね!」とか、全然いくないね!

ここはひとつ、巷にいる自称『日本ツイッター学会会長』および『日本フェイスブック学会会長』を名乗る人物に“ただしいSNSのつかいかた”を指導して貰ってはどうでしょうか。

というか、当たり前ですがSNSだろうがどこだろうが人の悪口を言ってはいけません。言うならせめて人目につかないところで行いましょう。それなら炎上しませんし、今回のように取り上げられることもありませんので。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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