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【英会話】外国人少年が判定に意外な反応。その理由は?

英語雑学エッセイスト 徳田孝一郎英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

 長い間、Native English Speakerたちと一緒に働いたり、彼らのマネージメントをやっていますと、こちらの予想しない反応に出くわすことが多々あります。

 そんな反応をなぜNative English Speakerがするのか? を解き明かすエッセイです。
 Native English Speakerの友人、上司、同僚、部下が突然できた方、彼らの日本人とはちょっと違った思考パターンを読めるようになりますよ~。おたのしみに。

 英会話スクールというところはレッスンをしているばかりではなく、Native English Speakerと受講生の交流イベントをよくやります。

 季節が良くなる5月なんかはフットサルが定番でして、普段はお酒が出ないイベントには見向きもしない私もフットサルならばと参加する。私、大のfootball 好きなんです。もちろん、下手ですけど。

 そういうイベントには講師のNative English Speakerだけではなく、彼らの子どもたちもよく参加しました。そこで、子どものNative English Speakerの意外な反応に出くわしたことがあります。

 試合中に、English manで30歳のRichが、American で10歳のMikeをフェイントで鮮やかに抜いたんですが、そのプレイに審判がファールの判定を下したんです。
 ぜんぜんボディコンタクトはなかったんだけど、Mikeがこけちゃいまして、それでファール。
 で、審判がRichにのたまう。
「だめだめ、子供相手に本気出しちゃ。今のは特別ファール。子供なんだから手加減してあげないと。怪我したらどうするの」
「ええ~、そんなぁ。でも」
 とRichが抗議しようとした瞬間、他のところから抗議が飛んできた。

「そんなファールはないよ! 馬鹿にするな!」

 立ち上がったMikeが顔を真っ赤にして抗議。
 良かれと思ってやったファール判定が思わぬ反応を引き出した瞬間でした。

 誇り高いなぁ、とその時私は思ったんですが、友人のNative English Speakerが言うには、Mikeの気持はよく判るとのこと。

「おれらは子どものころから対等に扱われるのが当たり前だからね。そんなえこ贔屓されたら腹を立てるのは当たり前だろ?」

ですって。

 Native English Speakerに先輩・後輩の観念はないと言われますが、それはこういう感覚から来るのではないでしょうか? 歳が上だろうと下だろうと基本的に対等で、たがいを一人の人間として見る。
 どうしても、上下関係の感覚を持ちがちな我々は気をつけないといけない点だと思います。

 今どきでは、一番年下だから会社には早めに来い、なんていう上司はさすがにいないと思いますが、一番年下だから責任を持たなくていいよ、なんていう上司はいるかもしれません。

 でも、もし、そう言われたのがNative English Speakerだったりすると、彼らはへんなの と不満に思ったり、寂しいな と思ったりしています。気をつけたいところです。

 と、こんな感じで、このエッセイではNative English Speakerたちと一緒に働きながら、今この瞬間も私の周りで発生し続けているちょっとしたエピソードを、ご披露したいと思っております。

 お気に召しましたら是非ともごひいきくださいますようお願い申し上げます。

イラスト 大橋啓子

英語・英会話研修スクール「英語・直観力」代表

英語嫌いだったが、仕事で必要に迫られ英文法をマスターし、学芸大附属・ICU高校・早稲田高等学院・慶応高校・渋谷幕張・早稲田大学・慶応大学など有名高校・大学に多くの生徒を合格させる。その実績を買われ、英会話習得カリキュラムを作成するために英会話スクールに転職。担当した1600名の受講生のVERSANTのスコアの平均伸長点は5.3を超え、3か月の最高伸長点は21を記録する。この時期に英文法をネタにした小説「英語の国の兵衛門」も上梓。その後Vice-presidentに就任し、受講生の英会話力向上に尽力し、業績を伸ばす。現在は独立し、英語・英会話研修スクール「英語・直観力」を経営している。

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