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コミュ障だと乗りこなせない電気自動車(前編)

田代真人編集執筆者
整備されつつある充電スポットだが……。

値段はまだまだ高いものの、補助金などもあって、電気自動車も庶民の手が届くクルマになってきた。昨今、充電スポットも徐々に増えてきているので、心強い。

そこで、今回その実力を探るために、日産の電気自動車リーフの「モニターキャンペーン」を利用して、電気自動車なるものを体験してみた。その様子を2回にわけてご紹介したい。(※結果として3回になった。中編はこちら。最終編はこちら

とにかく第一印象は車内は静かだし、加速もいい。いや技術革新はすばらしい! 快適快適! というもの。近所を走りまわった。

電気自動車は、航続距離が短いのが問題だと言われる。しかし実際どの程度走ることができるのか? それをテストするため、近所のみならず、片道130km程度の小旅行を企画した。リーフの航続距離はJC08モードで228km。1回どこかで充電すれば余裕で往復できる距離だ。

とはいえ、充電スポットが多いほうが安心。今回はレンタルなので、基本的に会員にならなくてもスポットで充電できる場所を探してみたが、東京23区内を出発点として、検索してみると、現状では西方面に充電スポットが多いことがわかった。

さすが日産のお膝元だけに神奈川県は充実している。そこで、目的地を伊豆方面に定めて、1泊2日の旅を企画した。

さて、旅行当日、朝早くに、前日近くの日産の営業所で急速充電したリーフのエンジンをかけ、いや、モーターのスイッチを入れてアクセルを踏んで出発だ。早朝、エンジン音を出すことなく住宅街を出発できるのは、電気自動車のメリットの一つ。静かな旅立ちだ。

快適なドライブだが、やはり電池の残量は気になる。ECOドライブモードで走っているが、“電欠”を想像すると怖くなる。しばらく走って、前もって調べていた東京から80km程度の小田原市内にあるショッピングモールの充電スポットに到着。

しかし情報では、2台設置されているはずの充電器は、実際には1台しかない。しかもリーフが充電中だった。ドライバーはいない。充電用の駐車スペースが2台分あったので、空いているほうに自分のリーフを停めて、隣のリーフの充電が終わるのを待つことにした。確認すると充電終了まで15分。じっと待つ……。

ほどなく持ち主が帰ってきた。60歳くらいのオジサンだ。「どうも」と軽く会釈をして、自分のリーフにケーブルを差し込む。前情報では急速充電は30分とのことだったが、ここの充電器は1時間だ。我々もこの場を離れてショッピングモールで時間をつぶすことにした。

充電終了10分ほど前に、クルマに戻ると、やはり次の電気自動車が待っている。充電終了まで運転席で待つのだが、待っている運転手が充電器の残り時間を度々のぞき込む。そんなに何度ものぞき込まなくても、隣にドライバーはいるし、あと8分と表示されているじゃないか、と内心思う。

もしかしたら、「このくらい充電すれば大丈夫だろう。途中でケーブルを抜けよ」という無言の圧力か? という思いがアタマをよぎった。なので「どうもすみません。長旅なんで最後まで充電させてさせてください」と作り笑顔で応じたが、相手に笑顔がなく、嫌ぁ〜な気分になる……。

そうしてちょっと嫌な予感を感じつつ、その場を立ち去った……。

中編へ続く

編集執筆者

1963年福岡県出身。86年九州大学工学部卒業後、朝日新聞社入社。その後、学習研究社にてファッション女性誌編集者、ダイヤモンド社にてWebマスター、雑誌編集長、書籍編集などを経て、2007年メディア・ナレッジ設立。代表に就任。出版&電子出版、Webプロデューサー、PRコンサルタントとして活動。現在は、駒沢女子大学教授、桜美林大学非常勤講師を務める。専門は「コミュニケーション」「編集論」。

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