攻撃か、守備か、ではないサッカーの本質
就任記者会見で、ハビエル・アギーレはこう言った。
「まず、守備をしっかりして勝利を目指していきたい」と。
すると、質疑応答である記者から、傍らに座る原博実専務理事に次のような質問が飛んだ。
「『まずは守備を重視する』とアギーレ監督は言ったが、これまで代表チームが築いたものを継承するうえで相応しい人物のか?」
守備的なサッカーを重視する監督で、攻撃的サッカーは目指せるのか?
辻褄は合わないのではないか?
質問者の疑問をかみ砕けば、おそらくこうであるはずだ。
守備と攻撃。
サッカーにおけるそれぞれの言葉は、日本人にとって解釈しにくいものになる。特に難しいのは守備だ。サッカーにおける守備は、攻撃を意味する言葉でもあるからだ。
守備をしていても攻撃はできる。相手がボールを持っている時でも攻撃はできる。マイボールの時でも守備はできる。守りながらも攻撃はできるし、攻めながらも守備はできる。サッカーは、そうした特徴を持ったスポーツだ。プレッシングサッカーが、攻撃的サッカーを発展させた戦術と位置づけられていることが、その何よりの証拠だ。
この記者会見では、アギーレが「まずは、守備をしっかりして……」と述べた後、別の記者が次のような質問をしていた。
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