どうする家康 LEDウォールという新技術との融合
2023年1月08日、日曜日20時より、NHKの大河ドラマ『どうする家康(主演:松本潤)』がはじまった。
NHKの『どうする家康』公式ウェブサイトには登場人物の相関図などもあるのでチェックしながらみると理解が深まるだろう…。
似たような名前がつながる戦国武将も有名キャストが演じてくれることによってわかりやすくなるメリットが大河にはある。
https://www.nhk.or.jp/ieyasu/casts/all_v1.html
2022年の大河の『鎌倉殿の13人』の相関図も現在はまだ確認できるが終了すると時間の問題だ。
https://www.nhk.or.jp/kamakura13/cast/all.html
NHK.or.jpの直下の配列のドメインは数年するとすべて消え去ってしまうところは、公共放送としても、ウェブサイトも思い出や、アーカイブとしても検索や参照できるようにすべきところだろう。
■SNS展開の 『どうする家康』
昨今の大河ドラマは、従来の公式ページだけでなくSNS展開も積極的だ。
https://twitter.com/nhk_ieyasu
製作統括 磯智明チーフ・プロデューサーの #磯P 解説などもある。
『どうする家康』のロゴの秘密
https://www.instagram.com/nhk_ieyasu/
YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PLcynJ47QaWNssVgvK9_ss7tuiiS5zPCVw
ユニークなのが、NHKのYouTubeのプレイリストでの運用だ。
本来であればNHKのサイトで連携すべきだが、番組サイトがなくなってしまうということでこのような連携ができていない。しかし、外部にアップしたNHKのYouTubeであれば、過去の『徳川家康』関連の放送もプレイリスト化することが可能だ。
通信からも『受信料』を徴収する時代ならば、過去のアーカイブの全公開…をYouTubeで行えばコストも発生しないはずだ。肖像権の権利関係がクリアにできないキャストはNHKで使わなければよいだけだろう。
大河ドラマがいつでも繰り返し視聴できるのは公共放送としてもメリットがあるはずだ。追加料金をとって公開するようなものではない。
■『LEDウォール』という令和の新兵器!
https://youtu.be/A_8kcJBFFpk?t=70
動画にも登場するが、スタジオセットの中で屋外のような光景をデジタルで演出している。
天井にぶらさげられた空飛ぶ提灯のようなLED証明
LEDウォールで燃え盛る城の映像
カメラと連動する『LEDウォール』がNHKの『どうする家康』の『50ボイス』で『ボイス39』として紹介されていた。
カメラの角度に合わせてLEDの奥行きが動くので3D効果が生まれ、本当にその現場にいるかのような映像になる。
それが、『インカメラVFX』という。
『鎌倉殿の13人』では風景利用がメインだったが、今度の『家康』ではデジタルで作られた馬や人が『デジタルエキストラ』としても登場するという。
さらに、現場で3DスキャンしてCGモデル化しそれをLEDウォールのスタジオセットとして蘇る。
グリーンバックだけではなく巨大なLEDウォールのセットはもはやコンサートなどでも活用されている。
価格がそのままでクオリティがさらに向上し、今度は価格が下がりというバーチャルスタジオで起きた価格破壊が再び訪れることだろう。
今後や、iPhoneなどのカメラに連動した家庭用120インチLEDウォールテレビスタジオみたいな製品も、YouTuber向けに販売されるかもしれない。
■LEDの前で馬にまたがりピョンピョンしているイメージ
『どうする家康』の初回、本放送で『LEDウォール』の演出を確認したが、まだまだ発展途上の域を感じた。
冒頭の家康が逃げるシーンでの奥行き…のある映像は『LEDウォール』ならではの、スタジオでは不可能な長い長い、奥行きを演出がなされていた。演者もグリーンバックでやる演技よりもやりやすいはずだ。この奥行きの演出はありだろう。
ただ、馬に乗り、燃える城から引き上げてくるシーンでは、どうしても進んでいる馬の演出がなく、上下にピョンピョンしているイメージしか感じられなかった…。背景が不自然に遠ざかるのもなんだか、実写というよりもコンピュータゲームのCGの既視感でいっぱいだった。
さらに奥行きを出すための戦闘シーンで手前に飛ぶ鳥たちのCGによる合成も不必要な演出であったようだ。
戦闘シーンのほとんどが、『仁義なき戦い』の深作欣二監督由来の『寄りによるカット演出』は見事だったが、引いた全体が見えるところでの合戦にも新たな演出を期待したいところだ。
新技術、特にVFXの場合は、どこに使っているのかがわからないような自然な迫力増加に期待したいところが多い。しかし、ビートルズの初期の『ステレオ』のような、右と左をいったりきたりするかのような、『LEDスクリーン』をさも、使いましたの演出は少し鼻につくように感じた。